先月購入したM1チップ搭載の新型iPad Pro。
このときは購入当初の新鮮な記憶を忘れないようにすぐに記事にすることを優先したけど、それから1ヶ月使い続けてのより詳細なレビューを記事にしてみたいと思う。
iPad Pro 12.9インチの特徴
iPad Pro12.9インチの特徴をざっくり説明するとこんな感じ。
- M1チップによるタブレット界最強の処理能力
- ミニLEDディスプレイ
- 120Hzの高リフレッシュレート
- 顔認証
- デュアルカメラ
- クアッドスピーカー
- ApplePencil対応
iPad Pro 12.9インチのスペック
iPad Pro 12.9インチのスペックを去年購入した11インチモデルと比較する。
iPad Pro2020(11インチ) | iPad Pro2021(12.9インチ) | |
画面サイズ | 11インチ | 12.9インチ |
画面解像度 | 2388×1688 | 2732×2048 |
CPU | Apple A12Z | Apple M1 |
メモリ | 6GB | 8GB |
ストレージ | 256GB | 256GB |
生体認証 | 顔認証 | 顔認証 |
重量 | 466グラム | 682グラム |
サイズ | 247.6×178.5×5.9mm | 280.6×214.9×6.4 |
値段 | 約11万円 | 約14万円 |
M1チップと8GBメモリ
新型iPad Proは去年からMacで採用が始まったApple M1チップを搭載している。メモリはストレージ512GBまでのモデルは8GB、1TB以上のモデルは16GB。今回はストレージ256GBのモデルを購入したのでメモリは8GBだった。
Antutu107万点!?
M1チップの凄さは既に他で語り尽くされていると思うから多くは語らないけど、Antutuベンチマークのスコアは107万点。現在スマホで最高性能のプロセッサーがSnapdragon888なんだけど、Snapdragon888搭載端末でも60万点後半から70万点前半ぐらい。
2021年現在最高性能のスマホより更に50%近くも高いパフォーマンスを発揮している。取り敢えず1ヶ月使っている中で一度も動作が重いと感じることはなかった。
ただ、去年のモデルでも1年間で一度も性能不足は感じられなかったので、ちょっと今の時点ではM1チップは過剰性能なのかもしれない。
カバー込みで1キロ超え…
12.9インチは本体だけで682グラム。そこにSmartKeyboardFolioを組み合わせると、重さが1キロを超えてしまう。重さ的には13インチぐらいのモバイルノートパソコンとほぼ変わらないわけで、ノートパソコンとの差別化・棲み分けが11インチよりもだいぶ難しくなっている。
12.9インチiPad Proの購入を検討している人は、13インチのモバイルノートパソコンも視野に入れて検討したほうがいいと思う。
iPad Pro 12.9インチの外観
iPad Pro2021年モデルは2018年モデルと外観はほとんど同じ。若干分厚かったり、メインカメラの形状が変わったりしているけど基本的に同じ。
それでも全く古臭さ、野暮ったさを感じないのはそれだけ2018年モデルの時点で先進的だったことの証明。
ベゼルレスな12.9インチディスプレイ。
12.9インチと11インチを比べて気づいたのは両方ともベゼルの太さは変わらないこと。12.9インチのほうが画面は大きいので、相対的に画面占有率は12.9インチのほうが高くなる。12.9インチのほうがベゼルレス感が強くて若干スタイリッシュなのは隠れた利点だった。
画面の上には顔認証を超高速・高精度でこなすための複数のセンサー。
右側面には音量ボタンと、
第2世代ApplePencilを充電するためのコネクター。
タブレットには他にほとんど搭載例のないデュアルカメラ。
カメラ部分にはLIDERセンサも搭載されている。光の反射から周辺空間の形・奥行きを認識できて、3DやARに活用できるらしいけど使ったことはない。
iPad Pro 12.9インチで出来ること
そんなiPad Proで何ができるのか?思っている以上に何でもできる。
タブレットは画面の大きいスマホだから、スマホでできることの99%はタブレットでもできる。しかもそれをパソコン並みの大画面で実行できることがタブレットの存在意義なんだ。
ブラウジング
タブレットの優位性が出てくる一番手軽な使い方はブラウザ。
スマホと比べても情報量はこんなに違う。
パソコン並みの情報量とスマホ並みの機動力を両立しているから、調べ物をするときには大活躍。
動画視聴
大画面、高画質、高音質、高機動力の4拍子揃ったiPad Proは動画視聴用デバイスとしても最強。
スマホと違ってカバーが有れば単体で画面が自立するのも嬉しい。
電子書籍
文字中心の本はともかく、漫画や雑誌のように挿絵の多い本はスマホだとキツイ。(それどころか10インチタブレットでもちょっと小さい)けれど12.9インチiPad Proならば余裕。
縦持ちならA4サイズの雑誌ぐらいのサイズになるし、横持ちなら単行本より少し大きいサイズで漫画を読むことができる。
12.9インチiPad Proを買ってからは、Kindle Unlimitedを契約してしまったぐらいにはiPadでの読書は快適。11インチも良かったけど12.9インチはそれ以上だった。
お絵描き
11インチの時から変わらずのメイン用途。そもそもたった1年で買い替えたのは、11インチでは微妙に画面が狭かったからでそれ以外は11インチに何も不満はない。
飽き性なのに何だかんだで1年以上継続して描き続けられたのはよく頑張った方だとは思う。けどもう少し上手くなりたいなとも思う。
写真編集
ミラーレス一眼カメラを買ってから、撮った写真を編集することも多くなった。カメラとiPad Proをセットで持ち歩けば、外出先で写真をそのまま編集まですることができる。ApplePencilがあるからマウスやタッチパッドよりも細かい操作がしやすいのも良い。
メモ帳
実はiPad Proで一番利用頻度が多いのはこの用途かもしれない。
会社でのメモは基本的にiPad ProとApplePencilで行っている。スリープ中でもApplePencilで画面をタップすればすぐにメモ帳アプリが立ち上がるので、紙のメモ帳にかなり近い感覚で使うことができる。しかも紙と違って紛失のリスクが少なく管理がしやすいし、iPad Proで撮影した写真を交えてかなりわかりやすく見栄えの良いメモ帳にできる。
ただ、iPad Proでメモをとるようになって初めて紙の手帳の良さにも気付かされた。例えば過去のメモにたどり着くまでの手軽さは紙のアドバンテージ。iPadだと題名をつけていないメモ帳にたどり着くには、書いた日時を思い出してその日付付近までスクロールしたりと結構な手間がかかるけど、紙の手帳なら全体のページの中からなんとなくで探すことができる。
この情報の参照しやすさは紙の手帳の思わぬ良さだった。
iPad Pro 12.9インチのカメラ
ここからはiPad Pro 12.9インチのカメラ性能も検証してみる。
iPad Pro 12.9インチのカメラ構成はこちら。
- 1200画素広角
- 1000万画素超広角
タブレットで写真を撮る人がどれほどいるのか疑問だけど、iPad Proはタブレットには非常に珍しい標準・広角のデュアルカメラを搭載しているから結構気になる。
対戦相手は今メインのスマホとして使っているXiaomiのMi11。写真は全部意図的なピント合わせなども行わず、構えて撮影するだけの撮って出し。後からの編集・加工もしていないけど、ファイルサイズの関係でリサイズしている。
Mi11について知りたい人はこちらもどうぞ。
Mi11とiPad Proでカメラ性能を比較
標準カメラはほぼ互角。Mi11の方がAI補正のおかげでかなり色が濃いけど好みの問題。
広角カメラも同じ。iPad Proの方が画角が広い。
標準カメラは逆にMi11の方が少しだけ画角が広いみたい。Mi11の方が青っぽい色合い。
料理の写真はこんな感じ。風景と逆にiPad Proの方が明るくて濃い色に感じる。
Mi11の方が美味しそう。iPad Proも悪くはないけど色が薄すぎる。
最後にズーム性能を比較。この写真からズームする。
2倍ズームだけど、iPad Proはもう限界。ソフトウェア的な処理も特に無いただのデジタルズームだから仕方ない。Mi11は1億画素のメインカメラを使ってデジタルでも画質の低下が抑えられる。おかげで望遠レンズが搭載されてないのにこのぐらいのズームなら余裕で実用圏内。
5倍ズーム。実はiPad Proは5倍のズームまでしかできない。Mi11もなんとか使えるレベル。Mi11はここからさらに、
10倍ズーム
30倍ズームまで対応している。画質的にもシチュエーションの数的にもほとんど使いみちはないけど。
総評
おそらくiPad Proのカメラ性能はタブレットの中では一番のはず。というかタブレットのカメラなんて記録用にしか使えないような画質の物がほとんどなんで、普通に綺麗に映るというだけでもかなり凄いこと。
今回の検証でも最新のハイエンドスマホであるMi11相手にズーム性能以外はほとんど互角で、予想外の健闘に僕自身驚いてる。Mi11よりもカメラ性能の低いスマホの方が世の中には遥かに多いことを考えれば、iPad Proのカメラ性能は十分にハイレベルと言っていいと思う。
iPad Pro 12.9インチは隠れた正解?
10インチクラスのタブレットはiPadだけじゃなくてAndroidからも結構な選択肢があるんだけど、12.9インチiPad Proのように、12インチ以上のパソコン並みの大画面を搭載したタブレットは本当に選択肢がない。
海外からの通販も含めるのであればSamsungから出ているGalaxy Tab S7+も12.4インチだから選択肢に入るけれど、国内で正規に販売されている製品ではないので、実質12インチ以上の大画面タブレットは12.9インチiPad Pro一択になる。
つまり10インチクラスよりもさらに大きい画面のタブレットを求めている人には他に選択肢はないわけで、大きいタブレットが欲しい人にはこれだけでもオススメできる。
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