ROG Ally【Steam Deckのライバル?】

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かつては無名メーカーや新興メーカーばかりだった携帯ゲームPCというニッチなガジェットが、Steam Deckによって日の目を浴び始めている。そんな中で大手パソコンメーカーのASUSがゲーミングブランドのROGでこのジャンルに参入してきた。ということで今回はASUSの携帯ゲームPC「ROG Ally」についてまとめることで買うか見送るか検討するいつものヤツをやる。

ROG Allyのスペック

ROG Allyの主なスペックをSteam Deck、NintendoSwitchと比べてみた。

ROG Allyの特徴

ROG Allyの特徴を簡単にまとめてみた。

  1. 7インチのフルHDディスプレイ(120Hz)を搭載
  2. 性能もそれに見合うレベルで、下位モデルでも2.6Tflops、上位モデルなら8.6Tflops
  3. デュアルファンを搭載し放熱性も高い
  4. Xbox風のボタン配置
  5. もちろんUSB-C充電やSDカードでの容量拡張も可能
  6. ROG XG Mobileでさらなる高性能化も可能
  7. Windows11を搭載
  8. Armory Crate SEが付属
  9. 89800円~

7インチのフルHDディスプレイ(120Hz)を搭載

7インチのディスプレイサイズまではSwitchやSteamDeckとおなじだけど、解像度はフルHDでリフレッシュレート120Hzと、SteamDeckと比べてかなり性能が高い。

今までの携帯ゲーム機ではフルHDも120Hzも性能的には厳しいし過剰品質だったんだけど、ROG Ally、特に上位モデルは今までの携帯ゲーム機では考えられなかった性能で、この高いディスプレイ性能をちゃんと活かすことができそうな気がする

ちなみに直射日光の下でも見やすいように輝度は500ニトと高いし、sRGB100%と色域も広い。正直色の正しさを求めるような用途には使われないと思うけど。

性能もそれに見合うレベルで高い

120HzやフルHDを活かすために、性能も今までの携帯ゲームPCよりもかなり高い。

下位モデルのZ1でも演算能力ではSteamDeckの1.5倍以上。まあこっちのほうが1年後出しだしこれぐらいなら当然なんだけど、上位モデルのExtremeがやばい。8.6Tflopsって携帯ゲームPCが出していいレベルではない。SteamDeckの5倍以上。PS5(10.3Tflops)と比べてもだいたい9割弱ぐらいの性能がある。

Steam Deckの512GBモデルと比べても1万円しか値段が違わないのに性能は5倍。これはやばい。スペック詐欺を疑うレベルだけど大手メーカーだしそれはないと信じたい。

Extremeモデルの性能なら最新の重めのゲームでもフルHD60Fpsは余裕だと思うし、大作ゲームよりは少し軽いゲーム(フォートナイトとかApexとか)なら120Fpsも行けるんじゃないだろうか。この値段でこの性能をおだしされると、正直Steam Deckに発売日に突撃したことを後悔してないと思えば嘘になるけど、携帯ゲームPCはまだまだ発展途上のカテゴリ。初期のスマホがそうだったように、この手の新規ジャンルはあとから出たものほど良くなっていくからそういうものだと思って受け入れてる。

上位のExtremeと通常のZ1では性能がかなり違う。Z1は2.8Tflopsで、Extremeは8.6Tflopsなのでおおよそ3倍とちょっと違う。CU(演算ユニット)の数が3倍多くてクロック周波数も若干Extremeが高いので、主にこの2点の増強分の性能強化だと思う。

下位モデルでもSteamDeckの1.5倍以上の性能なので1080Pや120fpsにこだわらなければ十分すぎる性能ではあると思う。

デュアルファンを搭載し放熱性も高い

携帯ゲームPCの課題の一つが冷却性能で、ゲームに耐えられる性能を携帯機サイズに詰め込むとどうしても排熱は厳しい。というわけでROG Allyは小型の筐体にデュアルファンを搭載し、ヒートパイプの構造を最適化することで優れた冷却性能を実現している。らしい。実際のレビューを聞かないとわからないけど、ゲーミングPCを昔から設計しているASUSに期待したい。

Xbox風のボタン配置

左右対称なSteam Deckと違ってROG AllyはXbox風の左右非対称なボタン配置。Steam Deckはタッチパッドを設けるためにこの配置だったけど、欧米人ならともかくアジア人にこの配置はスティックに指が届きづらい。その意味でROG Allyは台湾の企業が開発しただけあってちゃんと常識的というか、手の小さなアジア人にも配慮されている。

もちろんUSB-C充電やSDカードでの容量拡張も可能

Steam DeckもSwitchもできることだけど、ROG AllyもまたSDカードでの容量拡張やUSB-Cでの充電ができる。当たり前のことではあるけど、こういうところがしっかりしているのといないのとでは快適さが結構違う。

ROG XG Mobileでさらなる高性能化も可能

拡張デバイスとして、ROG XG Mobileを接続することでさらなる高性能化も可能になっている。XG Mobile自体にHDMIなどや電源供給も備わっていて、これに接続することで充電しながらテレビ出力が可能。つまりSwitchのドックみたいな存在だけど、こっちは性能自体もアップグレード可能になっている。最大でRTX4090までアップグレード可能だけど、そのお値段は最大1999ドル。まあもの好き以外買えないよね。

一応XG Mobile自体は他のASUS製ノートパソコンにも対応モデルはいくつかある。

Windows11を搭載

性能の次にROG AllyがSteam Deckに優位な点はこれだと思う。Steam DeckはSteam OSという専用のLinuxベースのOSだから低価格でゲームに最適化されているという利点はあるけど、その分すべてのソフトが動くわけではなかったりするし、Steam以外のプラットフォーム(Xboxとかブラウザゲームとかね)から供給されるゲームは遊べない。一応あとからWindowsを入れることはできるっぽいけど初期状態のままでは無理。

それにたいしてROG AllyはWindows対応だからSteam以外のゲームもコントローラーへの最適化という問題を別にすれば遊ぶことができる。初期状態のままWindowsが使えるのはかなり大きい。

Armory Crate SEが付属

ROG Allyはあくまでゲーム機の皮を被ったパソコンだから、Steam Deckやコンシューマ機と比べれば細かな使い勝手はコントローラーに最適化されていなくて荒削り。それを補うのが専用アプリのArmony Crate。

ボタン一つで立ち上がって、プラットフォームを問わずにダウンロードしたゲームのリストを表示したり、細かな設定(パフォーマンス調整やプロファイルなど)を編集できる。

流石にOSレベルで作り込めるSteam Deckやコンシューマ機を上回るのは厳しい気もするけどそれなりに期待したい。

89800円~

でもお高いんでしょう、と思ったら値段はまさかの89800円スタート。もちろんこれは下位モデルの話で、性能比較に持ち出される上位のExtremeモデルは109800円。それでもプラス20000円。というかこれはExtremeモデル一択な気が。だってたった2万で性能3倍以上だし、まあその分バッテリー持ちは悪いと思うけど、どのみち携帯ゲームPCのバッテリー持ちなんて目くそ鼻くそだし弱点というほどでもない。

上位モデルは6月14日、下位モデルは夏発売予定

上位のExtremeモデルは6月14日、下位のZ1モデルは遅れて夏に発売とのこと。正直欲しいんだけど、Pixel Foldなど他にもほしいガジェットが渋滞してて散財はあまりしたくない。次期モデルが出るかセールで安くなったら買いたいな。

ところで「Ally」は「エイライ」って読むらしい。「アリー」と読んでたの多分僕だけじゃないと思う。と信じたい。自分の英語力の無さを認めたくないので。

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