写真の編集をしている時、ブログを書いているとき、ブラウジングをするときも、色々なキーボードショートカットを使っているんだけど、これ冷静に考えると結構しんどい。
二つのキーを同時押しぐらいならまあ良いとして問題は3つ以上の同時押し。場所によっては指がつるし覚えるのもしんどい。複雑なショートカットを全部記憶してボタンひとつで操作出来るようになれば効率化出来るのでは?ってことでブラックフライデーに合わせて左手デバイスのTourBox Eliteを購入したので簡単な使用感を紹介したい。
左手デバイスとは?
そもそも左手デバイスってなんだ?という人もいると思うんだけど、パソコンで絵を描いたり写真や動画編集をしたりするときに、キーボードの代わりに幾つかのショートカットや動作を割当てさせることで作業の効率化が図れるとされているデバイスのこと。
絵を描く時にはペン、動画編集の時はマウスを右手に握り、左手でキーボードを操作するのが定番だけど、キーボードはサイズも大きい上複雑なショートカット操作が必要になる。その代わりにコンパクトでボタンひとつで動作できる左手デバイスに置き換えれば作業効率を改善しつつキーボードも端に追いやって机も広々使える、とメーカーは主張する。
左手デバイスは安いものなら1万円以下で買えるけど、今回のTouBox Eliteは驚異の4万円。ブラックフライデーのセールで20%安く買ったけどそれでも3万円以上、何に使うかよく分からないものに対する出費としてはヤバイ。けど今までの経験上未体験のジャンルの製品は中途半端な安物を買ってアレルギーを持ってしまうよりは、最初から最高性能と品質の高級品を買っておいた方が幸せという思いがあるので数千円には目もくれずいきなりこれで左手デバイスデビュー。一応廉価版として25000円のTourBox NEOもある。
TourBox EliteとNEOの違い
そんなTourBoxには現在2種類があって、僕が買ったEliteと前述した廉価版のNEO(発売時期的には最初にNEOがあってそこから上位機としてEliteが出てきたらしい)がある。4万円と25000円というかなりの価格差だけど違いは、
- Bluetooth接続ができる(NEOは有線のみ)
- ダイヤルやホイールに触覚フィードバックが付く(NEOは無し)
- 白、黒、透明の3色が選べる(NEOは黒だけ)
- UV塗装、抗菌、指紋防止加工(NEOは無し)
この4点だけ。正直これに15000円の価値があるか?と言われたら無いと思うけど、Bluetooth接続ができるという点だけで上位のEliteを購入した。ケーブルが多いと煩雑で見た目的にも精神衛生的にもよくない。ここに差がなければ安いNEOを買ってたと思う。
TourBox Eliteの特徴
前置きが長くなったけどそんな高級左手デバイスTouBox Eliteの特徴がこれ。
- 11のボタンと3つのノブを使ってあらゆる操作を割り当てられる
- Bluetooth、有線接続可能
- 単三電池2本で動作
- 専用アプリで操作や感触をカスタムできる
- 振動モーターでフィードバックを得られる
- アプリ毎に割り当てを設定でき、アプリを検知して自動切り替えできる
- 公式サイトからプリセットの割り当てをインポートできる
- 最高クラスの筐体の質感
- 4万円
4万円もするだけあって左手デバイスに求められる機能を全部盛りしてるし、何よりそういうスペックに現れない部分の作り込みも素晴らしい。
TourBox Eliteの異形の外観
TourBox Eliteの形状はとにかく独特というか奇妙というか、カッコイイとか美しいとはまるで感じないけどとにかく印象には残るデザイン。
スイッチやダイヤルの押した感触はかなり良くて、少し押しただけでもしっかり作られてることがよくわかる感触。本体への取り付け剛性が高くて安いボタンとかキーボードみたいにボタンがぐらついたりすることもなく非常に高い安定性がある。
ボタンはどれも微妙に形状もしくは押した際の感触が異なるから直感で使い分けられる。
しかもダイヤルやノブは回すとモーターの振動で触覚表現を返してくれる。この反応が心地よくてついつい触りたくなるし、どの程度動かしたか感覚を掴めるから実用的にも良い。
サイズの割に重いけど、そのおかげで使っている間に無意識に動いてしまったりも無さそう。
裏側に単三電池×2の収納と電源スイッチ、Bluetoothのペアリングボタンがある。
専用アプリで膨大な設定ができる
TourBox Eliteは専用アプリのTourBox Consoleでペアリングから各種設定まで行うんだけどこれが尋常じゃ無いほど細かく設定できる。ざっとあげるだけでも
- 単純に11のボタンと3つのノブにショートカットやシステム機能、マクロを割り当てられる
- 複数ボタンの同時押しやダブルクリックなどにも割り当てられる
- ボタンを押し続けた状態でキーリピートさせたり、ボタンを離した時に発動させたりもできる
- スクリーン上に機能を割り当てたメニューを呼び出すこともできる
- ダイヤルやノブは回転速度や方向、振動の強さも設定できる
- アプリを紐付けさせればアプリ毎に自動で割り当てを切り替えてくれる
- 公式サイトから他人の作成した割り当てをインポートして使うこともできる
多分もっと色々な機能が存在しているはずだけど、現時点でわかってるだけでもこれだけ多種多様な設定項目がある。これをひとつ一つのアプリ毎に割り当てられ、しかも変更するとアプリの再起動なども必要なく即座に反映されるので、TourBox Consoleと使いたいアプリを同時に立ち上げて動作確認や使い勝手の検証をしながら自分に合った設定を見つけていくことができる。
ヤバイぐらい設定項目が多いので正直使うアプリひとつひとつ真面目に最適解を探ってたらそれだけで丸一日溶けそう。
そこそこメジャーなアプリなら公式サイトに誰かの作成したプリセットが載っているのでそれをベースに調整していくのも手。
ダウンロードしたプリセットはプリセットリストからインポートすれば使うことができる。
ファーストインプレッション
最後にTourBox Eliteを2週間ちょっと使ってみた印象を書き残しておきたい。
結論から先に言ってしまうと、まだ作業を効率化できたと感じる場面はほぼないし、左手のホームポジションを使い慣れたキーボードから離せる程にはなってない。まだTourBoxの設定をして自分の使い方に合ったボタンを割り当てるよりもキーボードショートカットを普通に使う方が楽だと感じてしまう。既存のやり方に慣れてると慣れない新しいやり方よりも効率的に進められてしまうのでどうしても受け入れるのが大変。歳取ると新しいモノや技術を受け入れられずに老害になってしまうのはこういうこと。
でも前述した通り製品としての質は間違いなく最高。使っているだけでも心地よいので勝手に学習が進んでいく。やっぱりガジェットはカタログスペックだけでなくこういう感覚的な部分も大事なことがよくわかる。慣れないうちは普通に不便、でも物としての質感や品質は最高というのが現状の結論。現時点では少し煮え切らない内容になってしまったけど、もう少し長い期間使い込んでから長期使用レビューも作成したい。
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