実は先月からメインスマホをBlack Shark 4に乗り換えた。
ゲーム用のサブ端末としてアリかなと思いきや中々使わなくなってしまってたんだけど、Mi11のバッテリーが厳しくなってきたので次までの繋ぎとしてしばらく使うことにした。あくまで繋ぎとして考えてけどこのスマホ、中々良く出来てて当分これでいいかと思いつつある。
去年の夏発売のスマホを今更レビューとか需要あるのかとは思うけど、今回はBlack Shark 4をしばらくメインスマホとして利用した感想、下手したら世界一遅いBlack Shark 4のレビュー記事をお届けしたい。
実は購入したのは去年
去年の初めからずっとMi11をメインスマホとして使っていたんだけど、実はBlack Shark 4自体は去年の終わりぐらいの時点で既に購入している。購入時の価格は5万円後半ぐらい。ゲーム専用機としてMi11と棲み分けて使う予定だったんだけど、実際に使ってみるとスマホ2台持ち体制は意外と管理が面倒臭くて、少し使っただけで放置することになってしまった。
その後もしばらく放置してた(バッテリー劣化を防ぐためにたまに引っ張り出して充電はしてた)んだけど、1年半使い続けたMi11のバッテリーがそろそろ限界になってきたので、次のスマホまでの繋ぎとしてsimカードを差し替えてメインのスマホとして利用することにした。
あくまで繋ぎだったからそこまで期待はしてなかったんだけど、これが意外なほど使ってて楽しいスマホで、正直次買い換えるのはもう当分先で良いかなと思ってる。車のローンも家賃もあって流石に一時期ほど自由に使えるお金は多くないし。
Black Shark 4のスペック・特徴
Black Shark 4のスペックを以前のメインスマホであるMi11と比較してみる。
Black Shark 4 | Mi11 | |
画面サイズ | 6.67インチ | 6.81インチ |
画面解像度 | 2400×1080 | 3200×1440 |
リフレッシュレート | 144Hz | 120Hz |
CPU | Snapdragon870 | Snapdragon888 |
メモリ | 8GB | 8GB |
ストレージ | 128GB | 256GB |
バッテリー | 4500mAh | 4600mAh |
防水 | なし | なし |
生体認証 | 指紋 | 指紋・顔 |
重量 | 210グラム | 196グラム |
サイズ | 163.8×76.3×10.3mm | 163.4×76.4×8.06mm |
Snapdragon870搭載
Black Shark 4はSnapdragon870を搭載している。このチップは2020年のハイエンドスマホ向けチップであるSnapdragon865+をマイナーチェンジしたもので、性能ももちろん2020年あたりのハイエンドスマホとほぼ同水準。
最新のハイエンドには多少劣るけどそれでも十分以上の性能と、Black Sharkも含めて搭載端末の多くがコスパに優れることが特徴。搭載端末として割と有名なのはXiaomi Pad 5を始め国内ではタブレットが多い気がする。
Antutu67万点
そんな準ハイエンドとでもいうべきSnapdragon870の実力はどのぐらいか。取り敢えずAntutuベンチマークの結果はおよそ67万点。
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以前のメイン機で2021年のハイエンド機のMi11のスコアはおよそ76万点だから9割弱ぐらいの性能と言って良い。(Mi11は1年半毎日使っているので全盛期より若干スコアは落ちてる)
もう少し詳しく見てみると、CPUスコアはMi11の約91%、GPUスコアが約79%。メモリとUXは9割ぐらいの性能で、GPUスコアが目立って低めなのが気になる。普段使いならCPUとメモリが重要だけど、ゲームではGPU性能が重要なわけで、ゲーミングスマホとしては結構ウィークポイント。
あとBlack Shark 4で感心したのは発熱。Antutuベンチマークの実行中もかなり発熱が少ない。Mi11はちょっと触れないぐらい熱くなるのに、Black Shark 4はほんのり温かい程度。流石にゲーミングスマホを名乗るだけあって発熱はしっかり対策されている模様。
実際Antutuベンチマークを続けて3回連続で回してみるとその傾向がわかる。
Black Shark 4 | Mi11 | |
1回目 | 669289 | 764909 |
2回目 | 653294 | 709692 |
3回目 | 638877 | 686855 |
1→3回目での スコアの減少率 | 4.5% | 10.2% |
Black Shark 4はMi11と比べると1回目から3回目でのスコアの減少率が半分以下に抑えられている。長時間負荷をかけ続けてもパフォーマンスが低下しにくいというのは、ゲームのように長時間負荷をかけ続けるアプリではかなり大きな恩恵があるはず。
バッテリー持ち良好
発熱が小さく、重いこともあってBlack Shark 4のバッテリー持ちはかなり良好。普通に使っている分には2日ぐらいは余裕で持つし、かなりガッツリゲームしても1日は十分耐えられる。容量の多さだけでなく、発熱を抑えていることとMi11よりも画面解像度が低いこと、少し性能を抑えていることもプラスに作用してる。気がする。
重さは200グラム越え
大画面でバッテリー持ち良好なのと引き換えに重さは結構ある。200グラムを超えられるとちょっと重いと思うけど、ゲームを頻繁にプレイしつつ何とか1日以上バッテリーを持続させようとするとこの重さにはなってしまうのかも。
Black Shark 4の生体認証
Black Shark 4はインカメラを使った顔認証と、側面の電源ボタン兼用の指紋認証センサーを搭載している。
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指紋認証は画面内センサーに慣れていた当初は違和感があったけど、慣れてくれば画面内を上回る精度・速度なので実に快適。唯一側面だから机に置いたままのロック解除が面倒なのが気になる。
顔認証は精度・速度共にそこそこ。赤外線センサーなどは利用しない、インカメラだけを使った顔認証なので暗い場所だと使えない。もちろんマスクをしていても突破は無理。
メインは指紋認証の方で、顔認証はあくまでオマケみたいなものになる。
Black Shark 4の意外と大人しい外見
世の中の「ゲーミング」を冠する製品はゴテゴテした厨二臭いデザイン、明らかに無駄で悪目立ちしまくりの虹色の発光など、良い年した大人が使うには恥ずかしいデザインのものが実に多い。それはスマホも例外ではなくて、ロゴが光ったりトゲトゲしてたり、会社に持ってたらゲーム機と間違えられそうなものが多かった。
そんな中Black Shark 4のデザインはゲーミングとは思えないおとなしさ。もちろん一般的なスマホよりはかなり派手ではあるけど、全体的に黒基調のデザインで、なおかつどこかが光ったりしないこともあって十分許容範囲。普段使いのスマホとして十分耐えられる。
実際僕もBlack Shark 4を1ヶ月ぐらい、メインスマホとして会社に持ち込んでいるけど、良い意味で誰にも注目されない。上司や先輩社員から厳しい目線が向けられたことはない。驚くべきステルス性能を持ったゲーミング製品だ。(単に人のスマホをそんな注視する人は多くないだけ)
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特に正面から見るとほぼ普通のスマホと変わらない。
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有機ELで明るさも発色もかなり良好。リフレッシュレートも高いからディスプレイには文句なし。
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ハイエンドスマホで多い側面が湾曲したエッジディスプレイではなく、昔のスマホ同様に湾曲しないフラットなディスプレイを採用している。エッジディスプレイは側面が薄くなるから持ちやすくなる、視覚的にベゼルを細いようにみせられるなどの効果もあるけど、ゲーム目的なら誤操作を減らすために全面フラットなディスプレイが良い。
保護フィルムは最初から貼ってあった。これ自体は嬉しかったけど、微妙に気泡が入っていた・・・まあこれぐらいは許容範囲かな・・・
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左側面にはsimスロットと音量ボタン。一般的なAndroidスマホは音量ボタンと電源ボタンは1箇所にまとめて配置されることが多いけど、Black Shark 4は分けて配置している。
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その理由はこれ。右側面には音量ボタンとスライダーが2箇所。
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このスライダーをスライドすると・・・
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物理ボタンがポップアップで出てくる。この物理ボタンを設置するスペースを確保するために、音量ボタンは逆側に追いやっている。このボタンにはショートカットを色々割り当てられる。スクショや片手モードなんかをボタン一つで利用可能。でもこれが真価を発揮するのはもちろんゲーム。ゲーム性能は別記事でお届け予定。
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本体上面にはスピーカと受話器。
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下部にはスピーカーとUSB-C端子、そして近年のスマホからは排除されつつあるイヤホンジャックが鎮座している。ゲーマー、特に音ゲーやFPSのような遅延にシビアなゲームを好む人のために、この機種に限らずゲーミングスマホは今でもイヤホンジャックが残っている機種が多い。
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背面はこんな感じ。真ん中にロゴがあるけど光ったりしない。そう、それで良い。
背面は光の反射を利用して角度によって模様が変わる加工がされている。なお付属のケースを装着するとほぼ隠れて見えなくなる模様。これを見せびらかしたい人は別で透明ケースを買おう。
Black Shark 4のカメラ性能
次にBlack Shark 4のカメラ性能を検証してみる。Black Shark 4のカメラ構成は、
- 4800万画素広角(メイン)
- 800万画素超広角
- 500万画素マクロ
の3眼構成になっている。ゲーミングスマホだしそこまでカメラは力を入れていない可能性大だけど、その実力はどの程度か。対戦相手は先代のメイン機で、去年のハイエンドスマホであるMi11。写真は基本的に構えて撮影しただけ、意図的なピント合わせもしていないスマホ任せの完全オート撮影、ソフトウェア補正は両機種ともON。
昼間
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車で少し走ったところにあるとある公園。Black Sharkは曇り空を白飛びせずに抑えた。Mi11は逆に下の緑を派手に写すことを優先した。
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これも同じ感じ。こうやって比べてみて、Mi11はなんでも必要以上に明るく写したがる癖があることに気付いた。
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これは逆にBlack Sharkの方が明るい。
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花壇。Mi11の方が明るい。気がする。
夜景
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次に夜景。夜景のような明暗さの大きな環境だとMi11の方がセンサーサイズの差で圧倒的。店内が白飛びせずにちゃんと写されているし、照明も落ち着いている。
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これも傾向は同じ。Mi11の方が全体的に白飛びとノイズが少ない。Black Sharkで黒つぶれしている左右の木もMi11ならちゃんと写ってる。
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これもBlack Sharkで黒くつぶれて写ってない左の植物の細部や右の電線が、Mi11だとしっかりと写っている。全体的な明るさもMi11が上で、ほとんどの方が右の方が綺麗だと認識するはず。
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夜景に関してはMi11の圧勝。記録用ならBlack Sharkも耐えられるけど、映えるのは間違いなくMi11の方。ノイズの少なさがスマホの小さい画面ですら全く違う。
ポートレート
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センサーサイズがMi11の方が大きいこともあってMi11の方が背景がボケる。雰囲気があるのはMi11の方か。でも色はBlack Sharkの方が濃くて好き。
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これも同じ。Mi11は全体的に明るい、そして色が白っぽいように感じる。
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これはMi11が白っぽすぎ。Black Sharkの方が明るさを抑えて落ち着いた写真に仕上げた。
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ほぼ同じ。間違い探し以下。
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愛車、Black Sharkはちょっと黄色っぽい。
料理
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Black Sharkは料理を撮らせると全体的に黄色っぽい色合いになる。Mi11の方がバランスが取れていて現実的かつ綺麗に撮れる。
ズーム性能
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標準レンズで撮影。
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2倍ズーム。Black Sharkはもう既にガビガビ。
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5倍。Black Sharkはここまでで終わり。Mi11は5倍でも記録用ならギリ耐えられるか。
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Mi11はここからさらに10倍ズーム、
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30倍ズームまで行ける。画質的に実用性は皆無だけど。
マクロ撮影
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両機種ともマクロ専用レンズがあるけど寄れる距離はMi11が圧倒的。
【総評】カメラに拘りなければ十分
Black Shark 4のカメラ性能は思っていたよりだいぶ良かった。ハイエンドスマホであるMi11相手に夜景とズーム性能以外は割と良い勝負で驚く。Mi11よりもカメラ性能の劣るスマホが世の中には未だ圧倒的多数派であることを考えればBlack Shark 4のカメラ性能は拘りのある人以外には十分な水準と言って良い。
僕にとってスマホのカメラはあくまで日常の記録で、ちゃんと撮りたい時には一眼を持っていくから、日常の記録では概ねハイエンドスマホに見劣りしないBlack Shark 4のカメラ性能は不満なし。
唯一ケチをつけるなら、マクロレンズはいらないから代わりに望遠レンズが欲しい。日常生活では遠くの風景を撮りたいということはあっても小さい世界をカメラで覗きたいと思うことは多くない。繰り返しだけどそういう時は一眼を使う。2倍〜3倍の望遠レンズがあればズーム性能もMi11と良い勝負ができた可能性もあるはず。そうだったら日常の記録として文句なしだった。
その他良かった点・気になった点
そのほかの細かな良い点と気になった点も紹介。
スピーカーの位置が良い
Black Shark 4はステレオスピーカーを搭載している。これだけなら普通だけど、良かったのはその配置。左右のスピーカーが両方上の方にあるおかげで、ゲームとかで両手で保持してもスピーカーが手で塞がれることがない。
これはゲームだけでなく動画視聴でも有難い。
発熱しにくく放熱しやすい
Black Shark 4はスマホの用途としてはトップクラスに発熱が激しいゲームに注力しているだけあって発熱はかなり抑えられている。内部コンポーネントを挟み込む形で設けられたサンドイッチ構造の液冷システムや、バッテリーを二つに分けて配置することで発熱を抑えつつ、放熱性も高くなっている。
実際使っていても、普通に使っている時に体感できるような熱を持つことはほぼ無い。流石にゲーム中はそこそこ熱を持つけど、放熱性は高いのでゲームを終わった後にはすぐに常温に戻る。
カメラの出っ張りが少ない
通常のハイエンド機に比べてカメラ性能はやや控えめな分、カメラの出っ張りは抑えられている。付属のカバーを使えば出っ張りは無くなるので、机に置いてもガタつかないのは高評価。
分厚い
厚さは悪い意味で驚く1センチ超え(1.03ミリ)しかも角張ったデザインと重さのおかげで手で持つとかなり存在感がある。この厚さのお陰でカメラの出っ張りや発熱が抑えられたりしているのはわかるけど、薄いスマホに慣れていると結構戸惑う。
ストレージは256GB欲しかった
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メモリは8GBで十分だけど、ストレージが128GBしかないのはちょっと残念。一通りのデータをMi11から移行し切った状態で残りは30GB。必要十分ではあるけどちょっと不安はある。30GB残ってるなら大丈夫だろと思う人もいるだろうけど、本来ストレージとは余っている状態こそ正常。その意味でやっぱり256GB欲しい。SDカードでの容量拡張もできないから尚更。
Bluetoothが不安定?
最後にBluetooth接続が若干不安定な気がする。イヤホンの音が途切れたり、ペアリングがうまくいかなかったりする事が以前のスマホよりも多い気がする。まあこれは気持ちの問題もあるかもしれないからしばらく様子見。
ゲーム性能については次回
今回は普段使いの快適性やカメラ性能のような、普通のスマホとしてのBlack Shark 4の実力を主にレビューした。このスマホの本題であるゲーム性能についてはまた今度、別の記事で書きたい。高性能でバッテリー長持ちなので、重さと毒々しいデザインを許容できるのならゲームしない人にもゲーミングスマホは結構ありな選択肢だと思う。
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