Galaxy Z Fold4レビュー【全てが無駄、最高に楽しい】

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先月の後半に買ったGalaxy Z Fold4。

ファーストインプレッションとして簡単な感想はこの時に書いたけど、

半月ぐらい使ったのでこの辺で詳細なレビューを書いていきたいと思う。世界一遅いGalaxy Z Fold4のレビュー記事かもしれないけど、興味ある人は是非。

Galaxy Z Fold4の特徴

Galaxy Z Fold 4の特徴は下記。

  • 折り畳みスマホ(折り畳み時6.2インチ、展開時7.6インチ)
  • 高性能(Snapdragon8 Gen1)
  • 高画質カメラ(3眼)
  • バッテリー持ちは悪い
  • 無線充電、逆無線充電、25W急速充電
  • おサイフケータイ
  • 防水対応
  • 新品25万円

折り畳み、これにGalaxy Z Fold4の特徴は尽きる。もちろんそれ以外にも高性能や高画質カメラ、無線充電や防水などの付加価値を全部盛りしてるけど、その分デカくて重いのにバッテリー持ちは良くない。

Antutuベンチマーク117万点

Galaxy Z Fold4のAntutuベンチマークの計測結果は117万点になった。iPad Proにも迫るほどの高スコアですごい。

けど通常利用では50万点以上あれば差は感じないし、それ以上の性能は一部の重いゲーム(例:原神)でしか差を感じない。つまりGalaxy Z Fold4はスマホが出来るあらゆることを難なくこなせる性能を誇る。

Galaxy Z Fold4は263グラム/4400mAhバッテリー

買う前から想像してたけど弱点はバッテリー。超高性能CPU、7.6インチの大画面、120Hz、さらに折りたたみ用のヒンジとメインとサブの2画面で内部容積を圧迫されたらバッテリーを持たせられるわけがない。どう設定をやりくりしても丸一日使うのが精一杯で必要最低限の水準。

しかもその割に重さもしっかり重くて263グラム。でも最近のスマホは大型機だとみんな200グラムオーバーだし、7.6インチの大画面の割には軽いと言えるかもしれない。むしろもう少し重くしてバッテリー持ちをマシにして欲しかったかも。

折り畳みスマホの課題はこれからも重さとバッテリー持ちのバランスをどこで着地させるかってことでであり続けると思う。

Galaxy Z Fold4の所有欲を満たしまくる外見

新品25万するだけあってGalaxy Z Fold4の外観は最高。高級感の塊で所有欲を満たしまくり。

まず背面はマットな仕上げで、少し緑がかったグレーという珍しい色合い。ただでさえ珍しいスマホなのに色合いまで珍しい。

カメラユニットはかなり巨大だけど、一つ一つのサイズも大きいしカメラを囲むリングもギラギラしてて良い。ロボットの眼みたいでカッコいい。

サイドのアルミからボタンに至るまで質感は最高峰。ギラつき過ぎ、高級感を強調しすぎてちょっとくどいような気もするけど実際高いんだしこれぐらいでちょうどいい説はある。

底面はスピーカー、USB-C端子、マイクがある。

右側面には指紋センサー兼電源ボタン、SIMスロットがある。

指紋認証は精度自体はいいけど、サイズが小さいのでちょっと押しづらい。

顔認証も対応しててこちらも良好。ただし赤外線センサーなどはなくインカメラだけの認証なので暗い場所だと使えない。一応顔認証中は画面輝度を上げてくれるけど、本当に暗い場所では焼け石に水。基本は顔認証で必要に応じて指紋認証って感じの使い方になると思う。

閉じた状態だとかなり細長いディスプレイが広がる。インカメラはパンチホール。細長いおかげで重さの割にはかなり握りやすい。

開くとこれ。初めて開けた時の感動は忘れられない。このサイズをポッケに入れて無意識に持ち運べるのはすごい。

ステレオスピーカーを上下に積んでるだけあって音質は最高。音の広がりもあるし声も聞き取りやすい。

こんなにデザインが好きになれたスマホも今までない。

ただし角張ったデザインは手に優しくないし、何より値段を考えたら扱いは慎重にならざるを得ないのでケース装着は必須。

ケースはSisyphyのアラミド繊維ケースにした。重いスマホなのでこれ以上重くするのは避けたかったんだけど、だからと言って耐久性を妥協したくないのでこれに行き着いた。とにかく軽いけど、全方位満遍なくカバーできるし適度な硬さもあって耐久性は結構信頼できそう。なお耐久力を試す気には一切なれない。

閉じれば6.2インチの細長スマホ

Galaxy Z Fold4は閉じた状態だと正面に6.2インチの有機ELディスプレイが広がる。

この状態でもブラウジングとかSNSぐらいなら問題なく出来るというか、むしろ23:9という極端に細長い形状のおかげでかなり情報量が多くて、スクロールの手間を抑えられる。しかも地味にこっちの画面も120Hzでかなり滑らかに動く。

しかも263グラムと重いけど、この細長い形状のおかげでしっかり握れるからそれほど重さも感じない。普通にこの画面をメインと考えてもいいぐらいの完成度だけど、極端に細長い形状はメリットであると同時にデメリットでもあって、動画視聴とか読書とか横幅が求められることは苦手。

それと細長すぎてフリック入力はともかくQWERTYキーだとかなり入力しづらい。あくまで「サブ」であってちょっと情報を確認したりするためのディスプレイということらしい。

開けばタブレット

つまり情報を能動的に収集したり、動画や読書のように大画面が求められる用途にはメインの折り畳みディスプレイの出番になる。

開いた状態だと7.6インチ。世の中の8インチタブの長辺を少し切ったぐらいのサイズ感だけど、ベゼルがほとんどないおかげで迫力はすごい。光を持っているような感覚になる。最近のスマホはベゼルの細さを追求したがるけど、これぐらい大きなデバイスがベゼルレスだとインパクトある。

とりあえず動画視聴は快適。正方形に近いアスペクト比のせいで余白はかなり凄いけど、通常のスマホ相手なら画面サイズの差で圧勝。

読書用途でもこの画面は強い。片手でも使えるのにスマホよりずっと快適だから、iPad Proを読書に使うことが減ってしまった。でも上の画像のように折り目は結構目立つ。

メインディスプレイにもインカメラがあるんだけど、なんとディスプレイの下に埋め込まれてる。つまり今までパンチホールとかになっていた部分にも映像が表示されるんだけど、インカメラの画質を確保するためにその部分だけ明らかに解像度が荒い。

よく見なくてもわかるぐらいには荒いけど、基本的にこの画面端にはそれほど重要な情報は出てこないから意外と気にならない。むしろ今までのパンチホールなら真っ黒で明らかに画面内の異物だった部分が、不鮮明ながら一応連続して映像が表示されるおかげで大画面との相乗効果で没入感がすごい。

折り畳みを活かしたいろいろな使い方。

単純に8インチタブレットぐらいの画面を持ち運べるというのも重要だけど、Galaxy Z Fold4は他にも折り畳みとそれを実現するための変形を活かしたいろいろな使い方を提案してくれる。

Galaxy Z Fold4は開く・閉じるの二通り以外に、その中間の状態で保持することもできる。フレックスモードというらしい。

一部の(本当に一部)のアプリはこの状態に対応していて、Youtubeとかは上に動画、下にそれ以外に分けて表示されたりする。そうでないアプリでも下の画面にタッチパッドや幾つかの設定を表示したりできるけど、ブラウジングとかSNSは縦方向の情報量が小さすぎてあまり実用的には使えない。

他にもスタンドなしで角度をつけられることを活かしてビデオ通話を快適にしたり、三脚なしで自立させられるから写真撮影にも使えそう。

Galaxy Z Fold4のカメラ(VS Black Shark4)

Galaxy Z Fold4はハイエンドスマホなだけあってカメラもそれなりに豪華。

メインカメラは5000万画素の広角。5000万画素は画質向上のためというよりはデジタルズームの精度を向上させてズーム性能を強化するために使われている。普段は4画素を1画素にまとめて1画素あたりの光量を増やして明暗差の大きい場面や夜でも綺麗に撮れるようにしている。

一応手動で5000万画素をフルに使う撮影モードにすることもできる。晴れた日の屋外などの光を多く取り込める状況なら奇跡的に5000万画素を画質向上に振ることもできるかもしれない。

他にも共に1200万画素の広角と望遠カメラがあるので、合計で3つのカメラを搭載していることになる。個人的に望遠が3倍なのが嬉しい。最近はメインカメラの画素数向上によって、2倍望遠程度だとメインカメラの2倍デジタルズームとそこまで変わらなくなってしまったから。3倍であればちゃんとメインと別のカメラを搭載する意味が生まれるし、盗撮も捗る。

ということでここからGalaxy Z Fold 4で撮影した写真を載せていく。対戦相手として今までメインスマホとして使ってきたBlack Shark4でも同じようなシチュエーションで撮影を行なっている。

条件は両方とも意図的なピント合わせなども行わず、全部スマホに任せて構えてシャッターを押すだけ。AI補正は両機種とも有効にしている。全部Black Shark4→Galaxy Z Foldの順。

近所の公園。両方とも良い感じだけどGalaxyの方が彩度が高い。落ち着きがあるのはBlackSharkだけどGalaxyの方がSNS映えはしそう。あと画角もちょっとGalaxyの方が広いように見える。

同じ場所から超広角で撮影。メインカメラと傾向は同じでGalaxyの方が彩度高くて画角が広い。

ほとんど互角。間違い探し未満。

これも互角。昼間の写真はGalaxyの方が彩度が高くて画角がメイン・超広角ともに少し広めな以外は同じ。両方とも日常の記録としては十分すぎ。

逆に差がついたのが夜景。中央奥のマンションに注目して欲しいけど、BlackSharkはコントラストを上げて暗くすることで誤魔化してるのに対し、Galaxyはノイズを増やさずに同じマンションをしっかり明るめに描写できている。

広角カメラもメインカメラと同様の傾向だけどより差が大きい。BlackSharkは中央の噴水がほとんど潰れて見えないし、広告は大半が白つぶれしてる。Galaxyは見事なバランス。

別のシチュエーションでもだいたい同じ。Galaxyはバランスが取れているのに対し、Black Sharkはコントラストを上げてノイズを誤魔化した反動で白飛びと黒つぶれが激しい。

同様に広角カメラだとさらに差は大きくなる。

あとGalaxy Z Fold4は3倍望遠とデジタルズームを組み合わせて30倍までズームが可能。

メインカメラでこの状態だけど、

最大の30倍ならここまで寄れる。まあこれはただの記録としても使えないけど。

5倍ズームだとこんな感じ。綺麗に写せるのはこの辺までか。

料理はこう。

風景と同じでGalaxyの方が彩度が強い。好みの問題だと思う。

最後にGalaxy Z Fold4はマクロ撮影には対応してない。正直スマホでマクロ撮影をしたくなる場面ってマジでないから困らないんだけど、一応ハイエンドだけどカメラ重視ではないGalaxy Z Fold4は対応していない。

総合的にGalaxy Z Fold4のカメラは充分な性能ではある。確かに通常のハイエンドスマホだと1億画素だったり50倍100倍のズームだったり、デジカメ並みの大きなセンサーだったり強烈な飛び道具があって、それに比べるとちょっと寂しい性能のカメラではある。

それでも何も考えずに撮って及第点以上のなんか綺麗な感じの写真を出してくるという点において、充分理想的なスマホのカメラと言える程度の性能はある。本気で撮りたい時には専用のカメラを使う自分にとって、日常のちょっとした記録用としてGalaxy Z Fold4のカメラは文句無しの出来だった。

Galaxy Z Fold4は付加価値もいっぱい

Galaxy Z Fold4は高いだけあってほとんどの付加価値に対応している。

無線充電に対応してるし、

Galaxy Z Fold4から他の無線充電対応機器に給電する逆無線充電にも対応している。ただGalaxy Z Fold4自体のバッテリー持ちがかなり悪いので実用性は低い。他に分けられるほどのバッテリーはこのスマホにはない。

25Wの急速充電にも対応してるし、折り畳みスマホながら防水にも対応。25Wは最近の中華スマホと比べると遅いけど、Galaxyは過去にバッテリーが(物理的に)炎上して大変なことになった過去があるし、充電周りには慎重にならざるを得ないのだろうと思う。25Wでも1時間ぐらいで満充電はできるし、普通に使う分にはほぼ困らない。

おサイフケータイもあるし、eSIMを使えばデュアルSIMも対応できる。

有機ELディスプレイなので、常時表示ディスプレイにも対応している。焼きつきが怖いしただでさえ良くないバッテリー持ちがさらに悪くなるだろうから使わないけど。

複数のアカウントを切り替えずに同時に使えるデュアルアプリや、ゲーム中に通知を制限したりパフォーマンスを最適化するゲームモードもある。

外部ディスプレイに接続するとデスクトップパソコン風に使うことができるDeXモードもあるんだけど、普通に考えてパソコンでいい。面白いけど実用性はない。ただスマホ一台で本当に全てができる未来には憧れるよね。

他にも別売りのSペンを使って絵を描いたりメモを取ったりもできるけど、今回は買ってないので触れないことにする。

Galaxy Z Fold4の弱点

そんなGalaxy Z Fold4の弱点とはなんだろう。25万円の値段が既に弱点だろって話だけど、値段以外の弱点となるとこの4つかなと思う。

【弱点1】重い

重さ260グラムもあるから一般的なスマホと比べてもかなり重い。一応閉じた状態なら細いから握りやすいし、広げた状態なら両手で使うことが多いから使用しているときはそこまで重いとは感じないんだけど、問題は使わないでポケットにしまっているとき。

重すぎてポッケの中での存在感がすごい。

【弱点2】バッテリー持ちがかなり悪い

何度も言ってるけどGalaxy Z Fold4のバッテリー持ちはかなり悪い。どう設定を弄っても2日は無理で1日持たせるのが限界。最近のスマホの感覚で使うと普通に面食らう。購入直後でこれだと1年後2年後がだいぶ思いやられる。設定で充電が85%で止まるようにしてバッテリーの劣化は極力抑えることを心がけてる。

【弱点3】カバーディスプレイが傷つきやすい

あと個体差なのかもしれないけど、カバーディスプレイがかなり傷つきやすい。僕は今まで3年ぐらいスマホをフィルムなしで使ってたんだけど、それでも画面に目視できるレベルの傷をつけたことは一度もなかった。

それなのにGalaxy Z Fold4のカバーディスプレイは、購入してまだ1ヶ月たってないのに端の方にはかなり擦り傷が目立ってしまっている。

これが個体差なのか、このスマホ全体の問題なのかはわからないけど、かなり重要な問題だと思う。

【弱点4】対応アプリがまだ少ない

折り畳みの大画面をうまく生かしたアプリが現状まだかなり少ない。たとえばTwitter。こんな感じで通常のスマホと全く同じインターフェースで、大画面を完全に持て余している。iPadとかだと2カラムのUIになって、上手く大画面を生かして情報量を上げているし、純正のアプリやGoogleのアプリなんかは結構タブレットに合わせた配置になるんだけど、ちょっと王道から外れるだけでスマホの引き伸ばしになってしまう。

Webサイトも普通のスマホと同じように表示されるサイトと、PC版に近い表示になるサイトが混在していて、まだ折りたたみスマホをスマホとして扱うかタブレットとして扱うかあまり明確になっていないように感じる。ちなみにこのブログは縦持ちだとモバイル版、横持ちだとPC版が表示される。

【最後】メインディスプレイをもっと長くして

最後に弱点というよりは要望なんだけど、Foldシリーズをフルモデルチェンジするとしたら、メインディスプレイを現状の7:6じゃなくて、iPadとかと同じ4:3ぐらいのアスペクト比にしてほしい。

現状だと動画視聴時には余白が多すぎるし、ゲームも横幅が足りないせいでちょっと操作性が良くなかったり、Twitterが普通のスマホと同じ感じになったりして正直大画面を持て余してる感がある場面が結構多いと感じてしまった。

もう少し縦方向のスペースがあれば、動画視聴もゲームも今以上に快適にできたと思うし、その辺りを次回作以降では変えてくれると嬉しい。

無駄を楽しめる人のためのスマホ

Galaxy Z Fold4は本当に使ってて楽しい。性能もデザインも付加価値も最高で、折りたたみと大画面を生かしたスマホの新しい形を提案してくれる。もちろん重いとかバッテリー持ちが悪いとかあるけど、それら全てをねじ伏せられるだけの強烈なインパクトが折り畳みにはある。こんなに使ってて楽しくて、感動や新しい発見の多いスマホも今までなかった。

無駄な折りたたみ機構とか

無駄に巨大で片手じゃ使いづらいメインディスプレイとか

無駄な5000万画素カメラとか

今回は買ってないけど使い道がよくわからないSペンとか

無駄に高い処理能力とかとにかく何から何まで無駄だらけのスマホ。

でも無駄でいいじゃない。だって実験機だから、ハイエンド機なんだから。まさにメーカーとスマホオタクの夢だけでできた無駄の塊のようなスマホ。それがZ Fold4。

無駄に高級感あふれるデザインも所有欲を満たせていいよね。

でも何もかも無駄で、しかもその分無駄に値段も高くてバッテリー持ちや重さという重要な要素が犠牲になってしまっている。5〜6万も出せば十分快適に使える普通のスマホが溢れかえる2023年に、スマホに25万も出す変人はそうそういない。

ということでGalaxy Z Fold4は確かに最高に楽しいスマホだし買ってよかったと本心から思ってはいるけど、コスパは考えるまでもなく最悪だし、周囲の人にオススメだなんて絶対に言えない。価格なんて気にせずスマホを買える人以外は絶対に買ってはいけない。逆に富豪とスマホオタクならこれでいいと思う。

Galaxy Z Fold 4(ギャラクシーZフォールド4)|折りたたみスマホ | Samsung Japan 公式
Galaxy Z Fold4(ギャラクシーZフォールド4)は、没入感のある大画面にPC並みのパワーを備えた、Galaxy史上最もタフな折りたたみスマホです。

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