今年の最初の方ぐらいにCore Ultraを検討したもののずっと見送ってたら、
先月になって第二世代のシリーズ2が出てきてしまった。しかも初代からかなり進化してて、ガジェットあるあるの「本当に買いなのは二世代目」を体現したような代物になっているように感じる。
と言うことで今回はCore Ultraシリーズ2の実力と、搭載ノートPCがどうなのかを検討していきたいと思う。
Core Ultraシリーズ2のラインナップ&ベンチマーク
Core Ultraシリーズ2と言ってもラインナップは多数。
- Core Ultra5
- Core Ultra7
- Core Ultra9
の大まかな3種類があるけどそこからさらに
- Core Ultra5 226V
- Core Ultra5 228V
- Core Ultra5 236V
- Core Ultra5 238V
- Core Ultra7 256V
- Core Ultra7 258V
- Core Ultra7 266V
- Core Ultra7 268V
- Core Ultra9 288V
と全9種類ある。多すぎ。だけど実は、
- 末尾はVで統一
- 3桁の数字の1桁目は世代だがシリーズ2なので全部2
- Vの前はメモリ容量で32GBなら「8」、16GBなら「6」
という法則がある。
3桁の数字のうち真ん中だけは正確な情報が無かったけど、数字が大きくなるほどCPUのクロック周波数は高かったのでそこが関係してるんじゃないのと思う。保証はできない。でもって見つけられた限りのCinebenchスコアを現在のメイン機MacBook Pro(M3Pro)と比較した結果がこちら。
使用サイト→https://www.topcpu.net/ja/
シングルコア
- Core Ultra5 228V:1900
- Core Ultra5 236V:1958
- Core Ultra5 238V:1977
- Core Ultra7 256V:1995
- Core Ultra7 258V:1991
- Core Ultra7 266V:2081
- Core Ultra7 268V:2107
- Core Ultra9 288V:2189
- M3Pro :1992
マルチコア
- Core Ultra5 228V:11270
- Core Ultra5 236V:11603
- Core Ultra5 238V:11635
- Core Ultra7 256V:12145
- Core Ultra7 258V:12310
- Core Ultra7 266V:12798
- Core Ultra7 268V:12984
- Core Ultra9 288V:14502
- M3Pro :15139
このようにシングルコア性能では下位モデルでもM3Proと同等以上、マルチコア性能でも上位になればかなり肉薄してる。これは予想以上にすごい。マジでWindows界のMacBookが出てきたかもしれない。
ではMacに無くてWindowsにあるもの筆頭たるゲームで重要なグラフィック性能はどうか。エントリークラスのGPUであるRTX4050、3050、GTX1650のモバイル版とCore Ultraシリーズ2の内臓グラフィックのInter Arc 130Vと140Vで浮動小数点の演算能力を比べてみた。130VはCore Ultra5、140VはCore Ultra7と9に搭載されてる。
使用サイト→https://www.topcpu.net/ja/
グラフィックス性能(単位は全てTFLOPS)
- Arc130V:3.320
- Arc140V:3.990
- GTX1650Mobile:3.103
- RTX3050Mobile:4.329
- RTX4050Mobile:8.986
演算能力だけがGPU性能を測る指標ではないけど参考にはなると思う。Core Ultraシリーズ2の内臓グラフィック性能は130VだとGTX1650のちょっと上、140Vなら1650よりはかなり上だけどRTX3050よりはちょい下、と考えることができる。
いずれにしてもこれは内臓グラフィックの性能としては驚異的。ついにここまで来た。
Core Ultraシリーズ2搭載ノートパソコンたち
とまあかなりいい具合なことはわかったので、次はCore Ultraシリーズ2を搭載したノートパソコンを実際に調査してみた。現在発売されてるのはかなり少なく、
- ASUS Zenbook S14
- Lenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9
- HP OmniBook Ultra Flip 14-fh
- Dell XPS13
- Iiyama STYLE∞
以上。これで終わり。まだ正式発表から2ヶ月しか経ってないのもあって非常に少ない。少ない上に1番安い製品でも17万、ボリュームゾーンは20万円台とかなり高い。もう少し価格がこなれて10万円台後半ぐらいの選択肢がもっと増えてくれればと思う。
ASUS Zenbook S14
CPU:Core Ultra5 226V〜
メモリ:16GB〜
ストレージ:512GB〜
画面サイズ:14インチ
画面解像度:2880×1800
重さ:1.2キロ
価格:21万〜
画面サイズ14インチで現在のMacBookとほぼ同じ。それでいて重さは1.2キロとかなり軽い。拡張性などそれ以外も無難にまとまっていてバランスの良さと言う点ではこの中で1番安定してる。
ただパソコンに有機ELはあまりいらないと思ってる。どうせ動画はスマホやタブレットになるし、画面の端は常にタスクバーが表示されるパソコンの画面だと焼き付きの可能性も大きい。あと最低価格は下のLenovoより安いけどメモリとストレージを揃えると逆転してしまうのも残念。
Lenovo Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9
CPU:Core Ultra7 258V
メモリ:32GB
ストレージ:1TB
画面サイズ:15.3インチ
画面解像度:2880×1800
重さ:1.53キロ
価格:24万〜
15.3画面と大画面ながら1.5キロとかなり軽い。一見上のASUSより高いけどこっちは32GBメモリと1TBストレージが標準となっていて、仕様を揃えると実はこっちの方が安かったりする。今まで14インチを愛してたけど、正直外ではiPad+Magic Keyboardで使うことも多いので、基本家の中で使う前提で15インチにチャレンジしても良いかなと思ってる。あと有機ELじゃないのも良い。
HP OmniBook Ultra Flip 14-fh
CPU:Core Ultra5 226V〜
メモリ:16GB〜
ストレージ:1TB〜
画面サイズ:14インチ
画面解像度:2880×1800
重さ:1.34キロ
価格:24万〜
スペックはちょい重い以外はASUSと似ているけどこっちの特徴はコンバーチブル型2in1であること。ヒンジが360度回転するのでキーボード部分を逆に畳んでタブレット風にしたりテントのように立てかけたりして使うことができる。
WindowsのUIは指やペンでタッチすることを前提にしてないのでタブレット目当てなら絶対iPadの方が良いけど、スタイラスを標準でサポートしてるので液タブ風に使ったりはできる。ただ2in1を別にするとストレージ以外はASUSの下位互換なので、2in1に価値を見出せるかだと思う。
Dell XPS13
CPU:Core Ultra5 226V〜
メモリ:16GB〜
ストレージ:512GB〜
画面サイズ:13.4インチ
画面解像度:2880×1800
重さ:1.22キロ
価格:27万〜
この中ではサイズが1番小さくて13.4インチ。最近は14インチに押され気味だけどかつてはこのサイズがモバイルノートのボリュームゾーンだった。ただ重さはそんなに軽くないし値段もかなり高い。
Iiyama STYLE∞(STYLE-14FH129-U5-UHX)
CPU:Core Ultra5 226V
メモリ:16GB
ストレージ:500GB〜
画面サイズ:14インチ
画面解像度:1920×1200
重さ:0.935キロ
価格:17万〜
パソコン工房から発売されているノートパソコン。なんと言っても今回紹介する中で最も軽量(1キロ切り)で最も安い。1キロ切るとiPad+Magic Keyboardよりも軽いので持ち運ぶストレスは皆無。ただ画面解像度が2K止まりなのが残念。モバイルモニターを持ち歩きたくはない(そんなことしたらせっかくの軽さが無駄になる)のでノートパソコン本体のディスプレイはかなり重要なのに2K止まりだとだいぶ窮屈。
3〜4万高くなっても3Kディスプレイをオプションで選べるようにして欲しかった。それができたら割と真剣に買ってたと思うんだ。
現状はYoga Slim 7i Aura Editionがリード
5つのCore Ultraシリーズ2搭載PCを紹介したけど、現状はYoga Slim 7i Aura Editionがいいなと思ってる。現状の14インチより一回りでかいけど、もう4年ぐらい14インチのノートを使い続けてる、正直14インチこそ絶対でありノートパソコンの最適解!みたいなバイアスがかかり始めてしまってるように感じるし、ここらでその固定概念を打ち破れるか試してみたいと思う。
現状の24万は気軽に試せる値段ではないけど、どこかのタイミングでセールに掛かったら試してみたいと思います。
コメント