仕事中、休憩時間中にダラダラネットサーフィンしていたら、こんな物を発見してしまった。
その名は「Steam Deck」。世界最大のゲーム配信プラットフォームであるSteam謹製の携帯型ゲーミングPC。最大の特徴はなんと言っても価格と処理能力のコスパが圧倒的に高いこと。これだけのハードウェアが399ドル(45000円ぐらい)から手に入るというのは価格破壊としか言いようがない。
しかも得体のしれない無名メーカーではなく、パソコンゲームに手を出したことのある人なら知らない人などいないであろうSteamから出ているというのが凄い。今回はSteam Deckが日本発売されたときにすぐに手を出せるように、現在わかっている情報を整理しておきたいと思う。
持ち運べるゲーミングPCというロマン
僕が以前使ってたPCはゲーム向けのノートパソコンで、ハードウェアの完成度と性能には感動した一方で、家庭用ゲーム機でのゲームに慣れている人間としてはキーボードとマウスでのゲームはどうも馴染めず、また家庭用ゲーム機に戻ってしまった。
それに対して通常の携帯ゲーム機に近い感覚で使えるゲーミングUMPCというジャンルが存在し、中華メーカーを中心に少しずつ増えてきているんだけど、如何せん処理能力と価格のバランスが悪すぎて今まで興味が湧かなかった。多くのゲーミングを称するUMPCはビジネスノートと変わらない、もしくはそれ以下の性能で値段は10万以上平気でする。3万からのNintendo Switchの方がよっぽど幸せになれるような代物だった。(任天堂の素晴らしい自社ソフトは抜きにした状態でも)
それでもチャレンジは何度も続けていれば少しずつはマシになるもので、最近は軽めの3Dゲームまでなら対応可能と思われる実力のゲーミングUMPCも出てきたんだけど、やっぱりPCとしてみるとコスパが良くないことは変わらず、依然として興味は出てこなかった。
そんな中で彗星のように僕の観測範囲に飛び込んできたのがSteam Deckだった。調べてみればコイツはPS4に迫るほどのグラフィック性能と16GBのメモリ、ゲーム機として必要な操作系統をすべて備えながら価格は最低ラインで399ドル。これは俄然興味が出てきた。出てこないわけがない。
Steam Deckのスペック
公式サイトを参考にしてまとめたSteam Deckのスペックはこの通り。
Steam Deck | |
CPU | AMD Zen2(4コア) |
GPU | 8 RDNA 2CU(1.6Tflops) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 64〜512GB |
画面サイズ | 7インチ |
画面解像度 | 1280×800 |
バッテリー持続時間 | 2〜8時間 |
重さ | 669グラム |
サイズ | 117×298×49mm |
拡張性 | microSD×1 USB-C×1 |
価格 | 399ドル(64GB) 529ドル(256GB) 649ドル(512GB) |
Switchの3倍、PS4に迫るほどのグラフィック性能?
一番下の64GBモデルはSSDより書き込み速度の遅いeMMCだから無視するとして、真ん中の256GB以降が凄い。メモリは16GBの大盤振る舞いだし、CPUも4コアのZen2。極めつけがGPUの性能で、1.6TflopsのGPU演算能力はNintendo Switch(約0.5Tflops)の3倍以上、PS4(約1.8Tflops)にも肉薄するほどの高水準。それがたったの400ドル。凄い。
ゲームに必要なボタンも完備
言うまでもなくゲームに必要なボタンは一通り揃っている。
2つの押し込み可能なアナログスティックとABXYボタン、十字キーとトリガーボタン左右2個ずつの定番に加えて、
ボタン操作に最適化されてないタイトル用にタッチパッドが左右2つ、
プレイヤーが任意に割り当て可能な背面ボタンも左右2つずつ装備されている。
他にもメニューボタンやキャプチャボタンらしきものも確認できる。
画面サイズは7インチ
画面も7インチとなかなかの大画面。リフレッシュレートは60Hz止まりだし、解像度もフルHDに届かないけど、どの道携帯型ゲーミングPCでその2つをゲームで活かすのは無理だから問題ない。ディスプレイを始め、ゲームでは過剰・無駄になる機能や性能を削ってコストダウンしていると予想される。
バッテリー持続時間
バッテリー持続時間は2時間から8時間。随分と幅がでかいけど、最新の3Dグラフィックをふんだんに使う重いゲームでは2時間程度しか持たないけど、比較的負荷の軽いゲームなら8時間近く持つということだと思う。
据え置き機を持ち歩ける?
その他に充電用のUSB-Cとストレージ拡張用のmicroSDカードスロット、有線イヤホンを繋ぐための3.5mmイヤホンジャックを搭載している。多分SDカードは必須だと思う。最近のゲームって一本50GBとか平気で使うし。
性能的には最近のゲームを一通り遊べるほどパワフルで、ゲーム機として必要なインターフェースもすべて備えている。出る出ると噂のNintendo Switch Proの正体はコイツでは?
唯一気になるのが重さ、669グラムは重すぎるのでは?と感じる。Nintendo Switchは399グラムでそれでも重いという意見は結構あり、実際に小型版のSwitch Liteがラインナップされているように任天堂も通常のSwitchは携帯機としては重いと考えているようなフシがある。そのSwitchよりもSteam Deckは更に300グラム近くも重いんだ。実際に触ってみないと感覚はわからないけど、グリップ形状や重量バランスの工夫でなんとか重さを感じず持てるようになっていると信じたい。
その他Steam Deckの特徴
ハード本体以外にもSteam Deckは特徴的な仕様があるのでいくつか紹介。
ゲームは原則Steamからのインストールのみ
Steam Deckという名称のとおり、ゲームはSteamからインストールするのが基本。OSもWindowsではなくLinuxベースの「SteamOS」が採用されているため、Steamでは販売されていないゲーム(例えばブラウザゲームとか)は利用できない。
ただし、開発者向けの映像ではOSの入れ替えが可能との発表もあるため、あとからWindowsをインストールすればSteamにはないゲームもプレイ可能な可能性がある。
一応パソコンとしても利用可能
前述のSteamOSはWindowsやMacOS同様にフル機能のOSで、マウスやキーボードを接続すればパソコンとしても利用可能。実用性は多分ないけど面白そう。
クイックスタート・スリーブ機能もある
Nintendo Switchと同じように、Steam Deckも電源ボタンを押せばスリーブ状態になり、スリープ状態から電源を押すとすぐにゲームを再開できる。携帯ゲーム機とこの機能の相性は非常に良いので、Steam Deckにも採用されているのは嬉しい。
64GBのeMMCモデルとほか2つのSSDモデルには、ストレージの読み書き速度の関係上(eMMCはSSDよりも遅い)スリープからの復帰速度に差がある可能性がある。この点から見ても購入するならSSDの上位2モデルが良さそう。
ディスプレイはタッチ操作可能
UIの操作や文字入力にはタッチスクリーンを使うこともできる。ゲームには使えないけど、ストア内の検索やメニュー画面の移動はボタンよりも便利だと思う。
純正のドックで据え置き機としても利用可能
純正の周辺機器として、Steam Deckドッキングステーションのリリースもアナウンスされている。Steam DeckとUSB-Cで接続することで、HDMI出力や有線LAN、USB端子を備える据え置きゲーム機に変身させることができる。Switchのそれとは違って本体をドックにセットするだけでは使えず、USB-Cで繋ぐ必要がある。
Steam Deckは米国などから販売開始
そんなSteam Deckだけど、現在日本では発売されてない。お膝元の米国や欧州では先月から販売されているけど、日本での発売日は今のところ未定のまま。
すでに日本語の公式サイトもあって、ウィッシュリストへ追加するアイコンもあるんだけど、
クリックしてもこのページに飛ばされて予約はできない。残念。
正式な国内発売が決まるまでは気長に待つことにしておこう。こんなに発売の待ち遠しいガジェットは割と久しぶりかも。
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