Galaxy Tab S8+とiPad Pro【文字入力編】

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前回は電子書籍リーダーとしての実力を比較したGalaxyとiPad。第二弾として今回はキーボードを使った文字入力の快適性を検証したい。GalaxyにはBook Cover Keyboard、iPadにはSmart Keyboard Folioというキーボードを付属した状態で購入しているから、その状態での比較になる。

両者ともにサードパーティ製のキーボードもあるし、iPadにはトラックパッドがついたMagic Keyboardも存在するけど、持ってないから今回はそちらの比較はしない。

【最初に】結局はノートパソコンには勝てない

まず最初に夢のない話で申し訳ないけど、物理キーボードでの文字入力については、どんなタブレットもノートパソコンには勝てない。これから比較はするんだけど、GalaxyもiPadもノートパソコンと比べたらどんぐりの背比べでしかない。

どんなに優れたタブレットでも文章の入力についてはある程度ちゃんと作られたノートパソコンには敵わない。

Galaxy Tab S8+とiPad Proのスペック

まずは両機種のスペックを比較

Galaxy Tab S8+iPad Pro2021
画面サイズ12.4インチ12.9インチ
画面解像度2800×17522732×2048
CPUSnapdragon 8 Gen1Apple M1
メモリ8GB8GB
ストレージ128GB256GB
生体認証指紋認証顔認証
重量567グラム682グラム
サイズ285.0×185.0×5.7mm280.6×214.9×6.4mm
値段115500円141800円

iPad Proを去年買っておいたのは本当に正解だった。3万以上の値上がりはだいぶ大きい。スペック的にもiPad Proはまだかなり長い期間現役を貫けそうだから、去年5月にすぐに購入した自分を褒めたい。

iPad ProはSmart Keyboard Folio

iPadにはよりキーボード利用に特化したMagic Keyboardや、Logicoolから純正より多彩な使い勝手のできるCOMBOTOUCHキーボードも出ているんだけど、前者はいくらなんでも高すぎるし、後者は一度買って使ってみたんだけど、重さと動作の不安定さがネックになって結局Smart Keyboardに戻ってしまった。

Smart Keyboard Folioの良さはなんと言っても先の二つと違って、タブレットとしての利用に耐えうる軽さと柔軟性があること。12.9インチiPad Proに組み合わせた状態で重さは1084グラムで、1400グラム以上になるMagic KeyboardやCOMBOTOUCHよりもずっと軽い。1キロ超えてる時点でタブレットとしては十分重いけど、それでも並のノートパソコンを圧倒する性能と起動の速さはあるわけで、それを考えれば十分許容範囲。

それ以上のSmart Keyboard Folioが好きな理由が逆パカできること、つまりカバーを反対側に倒せること。Magic Keyboardはこれができないから、タブレットとして使うにはカバーからiPadを取り外さなきゃならない。「基本はタブレットとして使いたいけど、たまに文字入力もしたい」みたいなライトな要求

まあ打鍵感は何というか、こうペコペコ、ふにゃふにゃというか、変に頼りなく柔らかい感じでお世辞にも褒められるようなものではないし、タッチパッドがないのは地味に、そして確実に不便ではある。純粋なキーボードとしての実力は他の選択肢には劣るけど、価格の安さ(あくまでMagic Keyboardと比べての話)と汎用性の高さ、手軽さもあって、iPad使っている人ならとりあえず買って損はない周辺機器だと思う。

GalaxyはBook Cover Keyboard

Galaxy Tab S8+はBook Cover Keyboardを装着することで、キーボードを使っての文字入力が可能になる。というか見た目は完全にSurface。

このSurfaceタイプのカバーがSmart Keyboardを上回る点は3つ。一つはキーボードとしての実力。純粋なキーボードとしての実力はこのBook Cover、Smart Keyboardを圧倒している。まず何より打鍵感。変に柔らかく頼りないSmart Keyboardと違って、同サイズ・同価格帯のノートパソコンと遜色ない打ち心地と感触がある。

タッチパッドまで備わっている。大きさ、反応の精度はそこそこではあるけど、あるだけでもSmart Keyboardに対する大きな優越点。

二つ目はかなり自由に角度調整ができること。Smart Keyboardは角度調整は2段階しかできない。垂直に近い状態とそこそこ寝た感じの状態の2種類だけ。

それに比べてBook Coverの角度調整はかなり自由。かなり垂直に近い状態から、軽く力を入れるとキックスタンドが動き出し、

最大でここまで倒すことができる。この状態でのキーボードとタッチ併用操作の快適性は意外な発見だった。

最後にキーボードを外すと軽くなることも付け加えておきたい。

逆にこの形状が不利になることもある。一つは奥行きを取ること。これはiPad用のCOMBOTOUCHが好きになれなかった理由でもあるので、そこから引用。

COMBOTOUCHには他にも問題点がいくつかあって、その一つがノートパソコン形態で使うときに奥行きを取り過ぎることなんだ。COMBOTOUCHはキーボードを使うときには背面のキックスタンドを展開してディスプレイを自立させるんだけど、そのせいでキックスタンド分同じサイズのノートパソコンよりも奥行きをとってしまう。家の中では兎も角、外出先の狭い机では結構場所をとってしまうのは痛い。

https://shashan.net/?p=2180

そしてもう一つは奥行きの問題と関連するんだけど、膝に乗せにくいこと。乗せられないわけではないんだけど、結構キツイ。

Galaxy Tab S8+は画面分割も可能

iPadができる画面分割は、もちろんGalaxyも対応してる。iPadは画面下をスワイプすると出てくるドックから選ぶか、一度ホームに戻ってアプリを選択するけど、

Galaxyはエッジパネルからアプリを選択する。左右のどちらかに置くと分割表示。

真ん中に置くとフローティング表示になる。

しかもフローティング表示はiPadのSlide Overと違って2つ以上同時に表示でき、画面の大きさも割と自由に調節できる。

画面分割に関しては、DeXモードにならなくてもiPad以上の自由度がある。

Galaxy Tab S8+のディスプレイは作業性では不利。

電子書籍の時には不利に働くことの多かったGalaxyの横長なディスプレイ。残念ながら今回も弱点として機能してしまった。それは情報量の少なさ。Galaxyのディスプレイは16:10の縦横比だけど、iPadはiPadは4:3の縦横比。キーボードを使うときは横向きにして使うのが基本だけど、この状態にするとiPadはGalaxyと比べて20%ほど縦に長いディスプレイになる。

この長さは画面の情報量や視認性にかなり大きな影響があって、iPad Proを検証した後にGalaxyを使うと随分と画面が狭く感じられる。一度に表示できる情報が少ないことで画面スクロールする量も増加するし、情報の全体像を掴みづらい。

GalaxyとiPadには12.4インチと12.9インチというカタログスペック以上に実際の使い勝手の差があるから、購入する時には頭に入れておいた方がいい。

Galaxyは日本語変換の精度がイマイチ

これは個人差があることだけど、Galaxyの日本語入力の精度はiPadのそれと比べると精度が良くない。しかもこの入力ソフト以外に変更できる手段も今のところ見つからない。これの精度が良くない時点で正直他の要素がどんなに優秀でも積極的には使いたくない。

変更する方法をご存知の方がいらっしゃればコメント欄等で教えていただけると幸いです。

DeXモードはどうか

Galaxyにはデスクトップ風のインターフェースになる「DeXモード」もあるんだけど、文字入力に関してはフローティング表示になること以外にほとんど使用感に影響を与える要素はない。

使っているソフトは通常モードと同じくモバイル向けのものだから、インターフェースがパソコン風になっても機能面でパソコン並になるわけじゃない。ちょっとこの面では肩透かし。

【結論】Galaxyも光るものはあるけど、総合的にはiPad

個人的にハードウェアの完成度はGalaxyの方が上だと思う。具体的にはキーボードの打鍵感とかタッチパッドとか、バッテリー持ちと軽さとのバランスとか、ハードウェア的にはGalaxyはiPadに全く見劣りしないどころか部分的には上回ってすらいる。

それだけに変換の精度とか、DeXモードとか、横長な画面による情報量の少なさとか、ソフト面やカタログスペック以外の作り込みの粗が目立つ。その辺りがさらに良くなればと思う。

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