Surface Laptop Studioをつい先日購入したという記事を出したんだけど、3日ぐらい使ったうえでの第一印象を、まだ新鮮な記憶が消えていないうちに報告したい。
中身WindowsのMacBook Proが欲しい
というのが以前の記事で話したことで、次期ノートパソコン選びは雑に言えばこれを理想条件にして選定していた。具体的にはこんな感じ。
- 14インチ前後、画面解像度2.5K以上、リフレッシュレート120Hz以上
- 重さ2キロ以内
- メモリ16GB以上(できれば32GB以上)
- USB-C充電可能(フルパワーで動作するのが理想)
- Thunderbolt端子を一つ以上搭載している
- M1 Proと同等以上のグラフィック性能(RTX2050以上)
- OSはWindows
詳細は前の記事で書いてるから気になる人はそっちも見てみて欲しい。
ということで今回は、Windows界のMacBook Proであることを期待して、Surface Laptop Studioを買ってみてのファーストインプレッションをお届けしたい。
Surface Laptop Studioのスペック
今回購入したSurface Laptop Studioのスペックはこちら。
Surface Laptop Studio | MacBook Pro | |
画面サイズ | 14.4インチ | 14.2インチ |
解像度 | 2400×1600 | 3024×1964 |
CPU | Core i7-11370H | Apple M1 Pro 8コア |
GPU | RTX3050Ti | Apple M1 Pro 14コア |
メモリ | 32GB | 16GB |
重さ | 1.82キロ | 1.6キロ |
Type-C充電 | 可能 | 可能 |
消費電力 | 102W | 67W |
価格 | 297800円 | 約27万円(購入時は23万円) |
Surface Laptop Studioは現在世に出ているWindowsノートパソコンで可能な限り14インチMacBook Proに近い性能、仕様だと思う。(僕調べ)
高いけどMacにも劣らない質感の外観
Surface Laptop Studioの外観はシンプルにかっこいいし、めちゃくちゃ質感も高い。MacBookよりデザインと質感の優れたノートパソコンは存在しないと思ってたけど、Surface Laptop StudioはMacBookを超えた、とまでは言い切れないけど見劣りしないぐらいレベルは高い。少なくともWindows界隈では最高峰といっていい。
畳んだ状態だとディスプレイの変形という強烈な飛び道具を有するとは思えない常識的なデザイン。ただしアルミボディの質感はかなり良いし、MacBookよりも角ばったデザインはいい感じ。手には優しくないけど。
このシルバーの色自体はキレイなんだけど、僕はグレーとか黒とか暗い色のほうが好き。そういう系統の色が選べれば完璧だった。
側面は段差がある。一瞬薄いように感じられる。
端子は必要最低限で、ヘッドホンジャックと充電用のコネクタ、Thunderbolt端子が2つだけ。
端子のある段の下には排気口とスピーカーがある。
ディスプレイは14.4インチ。有機ELでもミニLEDでもない普通のディスプレイではあるけど、特に不満はなく、普通に奇麗で見やすく、十分以上の明るさを備えている。しかもリフレッシュレート120Hzだからカーソルの動きは滑らか。
デザインで唯一残念なのがベゼルが最近のノートパソコンの中では少し太めなこと。特にノッチを設けて上下左右のギリギリまで画面を広げているMacBook Proと比べると少しだけ野暮ったさはある。
もちろんMacBook Proと違ってノッチはないし、何より変形機構の存在を考えるとこの辺はしょうがないことなのかもしれない。Surface Laptop Studioはこのモデルが初代だし、モデルチェンジでの改良を期待したい。
キーボードとタッチパッドはこんな感じ。大手だし当たり前のことだけど、キーボードはちゃんと日本語配列。特に癖も致命的な欠点もなく普通にいいキーボード。MacBook Proから乗り換えたその日に慣れることができた。
MacBook Proがペチペチとした薄い感じの、押すというよりたたくという感じの打鍵感なのに対して、Surface Laptop Studioはよりキーボードのストロークが深くて、良くも悪くも「押す」感触の強いキーボードになっている。この辺りは完全に好みの問題だと思う。僕はどっちかといえばSurface派。
タッチパッドはMac同様に物理的なものではなく、触覚フィードバックを搭載していて、軽く押すと振動を返す仕組みになっている。Macのタッチパッドはこの仕組みやサイズ自体の大きさ、精度の高さや触り心地の良さもあって使い勝手が非常によく、Mac使いがMacBookを称賛する際は口をそろえて絶賛している。実際僕も精度も反応も良く、軽く押すだけでクリックできるMacBookのトラックパッドは素晴らしいと思っているし、Windows界でもこれをパクるメーカーが出てきてほしいと思ってたのでこれは最高。
サイズも大きいし精度も抜群、軽快に動くし触覚フィードバックのおかげで軽い力で押せる、MacBookと比べても遜色はないタッチパッドで、Windowsノートパソコンでは最高峰だと思う。
底面は吸気口もなく非常にシンプル。ペンについてはまた今度。
ぱっと見のラグジュアリー感もあり、しかも細部の作りこみも素晴らしい。30万もするだけあって外見の質感には全く不満なし。
ディスプレイは指一本で開く
小さなことだけどSurface Laptop Studioはボディ剛性の高さと天板の強度、そして重量バランスがしっかりしているおかげか、MacBook Pro同様に指一本でディスプレイの開閉ができる。細かい所だけどこういうこだわりは好き。
排気音はフルパワーだとうるさい
排気音は軽い負荷で使っていればほとんど無音なんだけど、ゲームなどフルパワーを長時間発揮させ続けるようなことをするとかなりうるさい。
ベンチマークをいくつか回してみた。
M1Proの時点でスペック的には全く不満なしだったので、今回はそれになるべく近い性能のWindowsノートパソコンということで選んだ。ただメモリは長く使うことを前提に32GBにしてある。
というわけでいくつかのベンチマークを14インチMacBook Proと比較した結果がこちら。
Surface Laptop Studio | MacBook Pro | |
CinebenchR23 | 5144 | 9538 |
Geekbench(CPU) | 5652 | 10534 |
Geekbench(GPU) | 38273 | 37050 |
Passmark(CPU) | 13536.8 | 17434 |
Passmark(GPU) | 6449 | – |
FF15ベンチマーク | やや快適 5968 | 測定不可(未対応) |
全体的にCPU性能はかなり劣る一方でGPU性能はおおむね同じぐらい。まだメイン環境は移行中なので本領を発揮する場面は多くないけど、普段使いでは性能の差は感じない。もちろんこれからメインマシンとしてより負荷の高いことをこなしていくと性能差を実感するかもしれない。ベンチマークではない実際の使用感はもっと使わないとわからないので様子見。
【良い所】変形機構が最高に面白い
Surface Laptop Studioの最大の特徴であり、通常の高性能ノートパソコンの最大の特徴である変形機構だけど、これが予想以上に良い。
まずは液晶をキーボードとタッチパッドの間に置いたステージモード。スタンドを使ったタブレットみたいな感じだけど、このモードは一番存在意義が怪しい。けど一発芸としては良い。
次に液晶を手前に倒すと、タブレットとして利用できる。この状態だとペンが使いやすいし、一般的なキーボードと本体を分離するタイプや360度回転するタイプのタブレットPCと違って、机に置いたまま通常のノートパソコン形態からシームレスに変形できるのが良い。
RTX3050のおかげでグラフィック性能もそれなりにあるし、解像度も高いのでイラスト制作や写真編集への適性はかなり高い。
もっとも重さ1.8キロでタブレットとしては重すぎだし、それなりに高性能な通常のノートパソコンなので長時間膝にのせて使っていると結構熱い。基本は机の上で使う感じになる。
【良い所】普通のノートパソコンとしても良くできている
そして真の姿になった、通常のノートパソコンとしてのSurface Laptop Studioだけど、これが普通にノートパソコンとしてよくできている。変形という一発芸に終わらず、普通にノートパソコンとして完成度が高いからこそその万能性が輝く。
キーボードもタッチパッドも快適に使えるし、ディスプレイも奇麗で表示範囲も広い。性能も普段使いではオーバースペックだし、ゲームや写真編集などにもそこそこ使うことができる。変形機構なしで普通にノートパソコンとして使っても十分すぎるほど良いノートパソコンだと思う。
【良い所】100Wでフルパワー動作できる
そしてこれだけの性能と機能を備えているのに100Wで動作してしまう。
USB-Cからの充電でフルパワーを発揮できるから携帯性も十分。
【悪い所】Thunderbolt端子が左側だけ
Thunderbolt端子が二つ搭載されてるんだけど、この端子が両方左側についてる。これが地味に不便で、右側からUSB-Cケーブルを伸ばせないせいでちょっと机が煩雑になってしまった。2つあるんだから片方は右側でもよかったと思う。
【悪い所】顔認証だけしかない
Surface Laptop Studioには実は指紋認証がない。その代わり顔認証はあるからそこまで不便ではないと思ってたんだけど、画面に顔を向けないとロック解除されないのは地味に不便で、指紋認証のありがたみを体感することになった。
29万は高いけど刺さる人には刺さる
性能的には不満なし。質感もデザインもキーボードもタッチパッドも不満なし。ディスプレイもきれいでちょうどいいサイズと軽くはないけど何とかなる重さ。そして何より変形可能なディスプレイという強烈で使ってて楽しい飛び道具。Surface Laptop Studioは今のところいい買い物だった。ペンと合わせて30万はいくら何でも高いけどその価値はある。
ただしすべての人には勧められないパソコンでもある。ペン入力や変形に魅力を感じない人にはただ割高なだけだし、通常のモバイルノートパソコンとしては値段も消費電力も性能も無駄に高すぎ。つまりSurface Laptop Studioはノートパソコンでゲームしたり動画や写真の編集をやりたいというマイノリティのためのパソコンであり、とても一般人には勧められない。
でもそんな少数民族たちには間違いなくお勧めできる。でもこのパソコン、今月初めから6月末まで公式ストアではセールしているんだけど、こういう長期間の大きなセールはそろそろ新型がでるサインでもある。新型はもうすぐ出るかもしれないし、今すぐパソコンが欲しい人以外は後継機を待つという手もある。
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