MacBook Pro(M3Pro)レビュー【弱点なし 不満なし 感動もなし】

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M3 MacBook Proを買ってしまった。リセールバリューを考慮してガジェットは定期的に買い替えておきたい主義なので、今回もM3Proの吊るし仕様を購入することにした。んだけど正直M1世代からの変化が少なすぎてあまりにもテンションが上がらない、レビュー記事を作る必要があるのかも疑問。

でもせっかく30万払って買ったんだし、先代PCの売却とセットで少しでも購入代金を回収するためにもレビューする。

【結論】無理に買い換える必要は一切なし

最初に書いたんだけどM3 MacBook Proはマジで変化がない。名前以外ほぼ何も変わらない。だからM2世代のMacを使ってる人が買い換える必要はゼロだし、M1世代ですら待機で大丈夫。

M3 MacBook Proを買っても良い人はIntel時代のMacを使っている人かWindowsから移行したいと考えてる人だけど、そういった人も正直今使ってるパソコンが余程古いか動作が遅いかでなければ次の代まで待った方が良いと思う。

M3 MacBook Proの特徴

M3 MacBook Proの特徴は下記。

  • 新開発M3シリーズチップ搭載
  • 写真・動画編集に耐えられる高い処理能力
  • 充分以上のバッテリー持ち
  • 高い静粛性
  • 14インチ1.65キロの持ち運べるサイズと重さ
  • 指紋認証
  • 使いやすいキーボードとタッチパッド
  • 新色の追加(スペースブラック)
  • 最高のディスプレイとスピーカー
  • 最高の筐体質感と品質

つまりM3 MacBook Proは高性能ノートパソコンとして完璧、ノートパソコンに求められるありとあらゆる項目を極めて高い次元で両立した最高のノートパソコンではあるんだけど、考えてみればそれは先代のM1 MacBook Proも同じなんだ。2年前のモデルから性能以外の進化がなさすぎて買い換える理由が無い。

M3 MacBook Proのスペック

MacBook Pro(2023)MacBook Pro(2021)
画面サイズ14.2インチ14.2インチ
解像度3024×19643024×1964
CPUApple M3 Pro 11コアApple M1 Pro 8コア
GPUApple M3 Pro 14コアApple M1 Pro 14コア
メモリ18GB16GB
ストレージ512GB512GB
重さ1.6キロ1.6キロ
Type-C充電可能可能
バッテリー駆動時間ビデオ再生18時間
インターネット12時間
ビデオ再生17時間
インターネット11時間
消費電力70W67W
価格328800円約27万円(購入時は23万円)

カタログスペック上の変更点はM1からM3になったこととバッテリー持ちの若干の向上と消費電力3Wの増加だけ。それ以外にディスプレイの輝度が若干上がったりHDMIとWiFiが新しい規格に対応したらしいけど誤差の範囲。少なくとも普通に使ってる限り体感することは不可能。

M3 MacBook Proの相変わらず最高な外観

Apple製品の記事を書くたびに言ってるような気がするけど相変わらず外観デザインは最高。他社のどんな製品と比較しても筐体の質感、品質、ラグジュアリー感は圧倒的で持ってるだけでなんか幸せな気分になる。

なんと言っても新色のスペースブラックが最高。

従来のスペースグレイを置き換えるような色で名前通り一層黒に近い色になった。

ブラックと言っても漆黒というほどではなく黒鉛色といったところ。マット加工が施されていて光の当たり方で微妙に白っぽく変化するのも良い。

とはいえM1世代のMacBook Proと比べての変化はデザイン面でもこの新色スペースブラックの追加だけ。あとは前から見ても横から見てもどこから見ても変わらない。

端子の配置や数も同じだし、アルミボディの質感や手触りも直線的で角の丸い側面のデザインも同じ。

キーボードとタッチパッドも変わらない。相変わらず非常に使いやすい。

ディスプレイも相変わらず最高だけどかわらない。ノッチもそのまま。

スピーカーも音質・音量・音の広がりどれも最高だけどこれも先代から最高だった。

先代のM1 ProのMacBook Proと比べてもこれ。色を揃えたら冗談抜きで区別がつかなかっただろう。

確かに変化ゼロだけどMacBook Proは2年前の時点で機能もデザインも質感も完成されきってたので、そこから変わらないということは今回のM3版も最高なことは間違いない。このレベルの機能とデザインと質感を備えたノートパソコンが僕が買ったM1世代の時点では20万ちょいで買えたわけなんだから、そりゃ熱狂的な信者も生まれるよなと考えさせられた。

ベンチマークを回してみた&気になったこと

M3 MacBook Proの唯一にして大きな変更点こそ3nmプロセスで製造された新開発M3チップの搭載なんだ。

プロセスの微細化によって消費電力あたりの性能が向上し、バッテリー持ちと性能を今まで以上に高い次元で両立できるようになった。さらにメモリの利用効率の向上やPS5世代の据え置きゲーム機と同じレイトレーシングに対応するようにもなっている。

他はともかくレイトレーシングはMacでできるゲームが少なすぎる現状としては微妙。まあ最近はゲームモードの搭載やDirectX対応などMacでのゲームにAppleもちょっとずつ気合を入れて来ているので数年後に期待といったところか。

ということで各種のベンチマークを先代のM1 Proと比較した結果がこれ。

MacBook Pro(2023)MacBook Pro(2021)
Cinebench2024
(マルチ)
916pt647pt
Cinebench2024
(シングル)
139pt112pt
Cinebench2024
(GPU)
5483pt2295pt
Geekbench(CPU)1426410534
Geekbench(GPU)6926737050
写真書き出し※114.2秒20.3秒
AI画像生成※22分26秒3分21秒
※1 写真の書き出しは、6000×4000のRAW画像30枚をAffinity Photoの一括現像でsRGB変換と2400×1600のリサイズを施して書き出すまでにかかった時間を計測。
※2 AI画像生成はDiffusion Beeで512×512、試行回数25回の画像を10枚生成するのにかかった時間を計測。

CPUは30〜40パーセント、GPUは2倍前後の性能アップ。それに伴ってAI絵の生成や写真の書き出しも3割〜5割ぐらい速まっている。CPUの伸び幅から見れば妥当だけど、ベンチマーク上は2倍ぐらいアップしてるはずのGPUはどこに行ってしまったのか。多分ゲームとか動画編集でないとGPUは積極的に使われないのかも知れない。

確かに写真の書き出しやAI絵の生成速度は速くなったけど、正直生成中は別のことをしていることが多いので書き出しが3割速くなった程度だとあまり恩恵は感じられない。それよりアプリを起動してから立ち上がるまでのスピードが速くなったり、数十枚のRAW画像を読み込んでも固まりにくくなったりと待たされる時間がより一層減ったことの恩恵が大きい。ストレスが減った。

あとメモリが2GB増えたこと(16→18GB)の恩恵も、帯域幅が25%小さくなったこと(200→150GB/s)の不満も現時点では感じない。この程度では使用感はそう変わらないっぽい。

相変わらず排熱も優秀

あとは70WのType-Cで充電できるだけあって発熱も少ない。アイドル時はもちろんブラウジング程度ならファンが回ることはないし、回っていても高音じゃなくて雨音みたいな不快感少なめの音。カタログスペックに現れない部分までしっかりしているのは流石だけど、よく考えたらこれは先代のMacBookから同じだった。先代からブラウジング程度では完全に無音で完成されてた。停滞してはいるけどこのレベルの性能と静粛性とバッテリー持ちを14インチ1.6キロのサイズに詰め込んでいるパソコンは依然として現れないのでまだ最高ではある。

相変わらず14インチは最高

これも昔から言ってることだけど14インチはほとんどの人にとってノートパソコンの最適解だと思うほどちょうど良い。従来の13インチとほぼ同等のサイズに少し大きいディスプレイを搭載しているおかげで家で据え置いて使うにも、先代からそうだけど相変わらずベストなサイズ。

相変わらずスリープからの復帰も爆速

そろそろ擦りすぎて飽きて来たと思うけどスリープからの復帰も先代と同様に速い。しかも待機中の消費電力もかなり低いので電源オフでなくスリープを標準として運用できるのも良い。スマホと同じような感覚で高性能なノートパソコンを扱えるのは本当に価値観が変わる。

最高のノートパソコン、だけど変化も感動もなし

このタイトルがM3 MacBook Proに対する実際に身銭を切って買った上での僕の率直な感想。間違いなく2023年時点で最高のノートパソコンであることに疑いの余地は無い。

最近はゲーミングノートだとASUSのROG Flowシリーズは適度なサイズに高い性能と高品質ディスプレイを擁してきたり、

ゲーミングの毒々しいデザインに抵抗がある人に対しても、新型になって大幅に性能アップしたSurface Laptop StudioやDellのXPS15などWindows界隈でもMacBook Proに近い、部分的には上回る選択肢がでてくるようになって来た。

それでも適度なサイズに高性能とバッテリー持ちと最高品質・完成度のハードウェアでまだ総合力ではMacBook Proは王者であり続けてはいる。

MacBook Proは2021年の時点で完成されきっていた

でもそれは2021年時点でもそうだった。思えばMacBook Proは2021年の時点で最高のノートパソコンだった。今回のM3も最高のノートパソコンではあるけど事前予想を何一つとして超えてくることは無かった。

それどころかこの2年間Windows界隈がMacに追いつこうと着実に進化を続けたのに対し、MacBook ProはM1→M2→M3と2回もモデルチェンジしてるのにチップ以外ほぼ何も変わってない。周りが全体的に成長する中での現状維持とは残念ながら停滞ですらなく後退なのだ。

それなのに値段は僕が買ったM3Proの吊るし仕様ですら31万と常軌を逸している。どう考えてもこれを買って得られたメリットや感動、驚きとまるで釣り合わない。

フルモデルチェンジを待とう

ということでM3 MacBook Proは買い換える必要性は薄い。繰り返すけどM2世代のMacユーザーは買い換える必要ゼロだし、M1世代もスルーした方が良い。Intel時代のMacユーザーやWindowsからの移行勢は乗り換えても良いかもだけど、正直M3を買うぐらいなら中古で状態の良いものでも16万から売ってる中古のM1Proを買って繋ぐか、いっそ今のパソコンが普通に使えるならそれで粘った方が良い。とにかく今はパソコンを買うには時期が悪い。

コロナでのリモートワーク、巣篭もりでパソコン業界は空前の繁栄を謳歌したけど、どんな好景気も永久に続くわけがなく、コロナ終了と行動制限解除によってパソコン業界のバブルは終了。その反動で業界全体が守りに入ってしまって中々ワクワクする製品が生まれにくくなってしまっている。

将来的に有機ELディスプレイのMacが出るとか出ないとか噂されてるけど、そう考えても今の守りに入った面白みのないMacBookよりまたパソコン業界が活性化した時に出るであろう魅力と面白さを備えたMacBookを待つべきだと思う。好景気が永久に続かないように不景気も永久には続かないのだから。

という事でAppleに限らずパソコン業界は来年以降の製品に期待したい。

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