無事に発売日に到着し、1ヶ月間、途中の帰省中にも遊び続けたSteam Deck。この期間ほとんど毎日遊び続けたから、この時点で詳細なレビュー記事を書きたい。1回では収まりきらないから、まず外観のレビューをしていきたい。
Steam Deckのスペック
まずはSteam Deckのスペックがこちら
Steam Deck | |
CPU | AMD Zen2(4コア) |
GPU | RDNA 2CU |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 64〜512GB |
画面サイズ | 7インチ |
画面解像度 | 1280×800 |
バッテリー持続時間 | 2〜8時間 |
重さ | 669グラム |
サイズ | 117×298×49mm |
拡張性 | microSD×1 USB-C×1 |
価格 | 59800〜99800円 |
Steam Deckの存在感がありすぎる外観
Steam Deckはとにかくデカイ、シンプルにデカイ、あまりにも存在感が凄すぎる。
梱包材を開けるとすぐに対面できる。そしてキャリングケースに入ったまま送られてくる。コストダウンと資源保護を両立できる良いアイデアだと思う。ただこの手のガジェットは幾重にも梱包して焦らした方が気分が乗る人もいると思うので、その辺は好みが分かれるかもしれない。
専用ケースはなかなかの硬さとクッション性が両立されていて防御力はかなり高そう。その分かなり重いけど。
そしてこれがSteam Deck。初対面の感想は繰り返しになるけどデカイ。とにかくデカイ。
Switchと並べるとSwitchが小型のゲーム機に見えるほどデカイ。Switchも出た当初は大きすぎるなんて声もあったと思う。実際小型モデルとしてLiteが出たわけだし。それでもSteam Deckと並べると小さく感じられてしまう。
思えば携帯ゲーム機って新しくなるごとに大きくなっている気がする。3DSも途中からは大型のLLの方が主流になっていたように感じるし、スマホと同様の大型化が進んでいるのかも。
本体はプラスチック製で、高級感はないけどその分実用性は高い。例えば表面は少しザラザラした質感になっていて、滑りにくいように配慮されているし、金属と比べて熱伝導性が低いおかげで長時間遊んでいて熱を感じにくいのも良い。
派手さはなくても見どころ多数の正面
正面には一般的なゲーム機と遜色ない数・機能のボタンが並ぶ。
十字ボタンにABXYボタン、左右二つのアナログスティックとトラックパッドにSteamボタンとクイックアクセスボタン、メニューボタンがある。
トラックパッドは指を滑らせるとモーターで振動して感触を返してくれる。MacBookのトラックパッドに似た仕組みだけどこれが中々心地よい。使っていて楽しいし軽い力で押すことができるのも良い。しかも左右で微妙に振動の感触が違うのも楽しい。
ボタンの押し心地はSwitchのジョイコンと比べると少しストロークが深い感じ。すぐに底を付く感じがあるジョイコンに対しSteam Deckのボタンは深く押し込む必要がある。SwitchプロコンやPS5のDualSenceに良くも悪くも近い感触。
アナログスティックは見た目でわかるように今までほとんど例のない、十字ボタンとABXYボタンの奥に配置されている。トラックパッドを配置するスペースを確保するためにこんな配置になっているんだけど、最初はこれスティックに親指届かないでしょ?とSteam Deckのハード面でいちばんの懸念材料になっていた。
ところが意外にもちゃんと親指が届く。アクション性の高いゲームを遊んでも親指がつることもなく快適に遊ぶことができた。
ディスプレイは7インチ、解像度1280×800の普通の液晶ディスプレイ。解像度は低いけど、Steam Deckの画面サイズやパワーだとこれ以上解像度を上げてもゲームへの恩恵は少ないしこれで十分。有機ELではないけど普通に明るく綺麗で見やすいディスプレイなので特に不満は無い。
実はSteam Deckのハードで一番感動したのがスピーカーの音質。これはすごかった。音質・音量・音の広がり、全てにおいて極めて高いレベルで、これ本当に左右二つしかスピーカー付いてないの?と疑いたくなるぐらいの素晴らしい音を出してくれる。
側面から見えるSteam Deckの重さ対策
側面を見るとやっぱり分厚い。Switchの2倍ぐらいは分厚い。ただこの厚みはほとんどグリップ力の確保に使われていて、側面が全体として湾曲し、自然に馴染むようなグリップを形成しているおかげでサイズと重さからは想像もつかないほど持ちやすい。
Switchは一枚板な形状で引っ掛けられるものがなく、結果として親指以外の4本の指で重さを支えるような構造になっているのに対し、Steam Deckは裏面下部の膨らみと正面下部の若干折れ曲がったような形状のおかげで、特に意識することなく両手全体でしっかりとホールドできるようになっている。手で触れる面積が多いおかげで、面積あたりの荷重が減っているから重さの割に持ちやすい。
しかもSwitchは画面部分とジョイコン部分が分離して作られているために、ジョイコン部分は軽く、画面やバッテリー、プロセッサーや冷却ファンなどの重量物が集中する中心部は重くなってしまう。それに対しSteam Deckは重量バランスが比較的均等で、中心部がそれほど重く無いおかげで自然に持つことができる。
また、本体を保持する手がある場所から近い場所に重量物があるということは、体感上軽く感じやすい。どういうことか、小学校でてこの原理は習ったと思うんだけど、
力点に力をかけ、支点を中心として、てこを回転させる。
その結果、作用点が重量物を動かす。てこを使用して楽するためには、いくつかのコツがある。
参考:http://www.buturigaku.net/main01/RigidBody/RigidBody02.html
まず、柄(支点〜力点間の距離)を極力長くすることだ。
そして、支点をできるだけ作用点に近づけることである。
つまり、この3点の位置関係によって、てこの性能が左右されるのだ。
今回の場合、
- ゲーム機の中央部分の重さ→作用点の重さ
- ゲーム機で使用時に握る部分→支点
- ゲーム機の中央部分と握る部分との距離→作用点〜支点の距離
- 握るために自分が用いる必要があるパワー→力点に掛ける力
と考えることができる。
軽い力でゲーム機を握るというのはこの中の4、つまり力点の重さをできるだけ小さくすることである。小さい力点にするためには、支点〜力点感の距離を小さくするか、支点を極力作用点に近づける方法がある。もっと具体的に言えば、重量物をできるだけ中央ではなく本体の左右端、手で握る場所に寄せた構造にすることで、作用点〜支点の距離が縮まって力点で必要な力が小さくなる。つまり体感上持ちやすいゲーム機になる。
Steam Deckは重量バランスを均等にしたり、かつグリップによって手との接地面積を広げるなどの工夫で、カタログスペックからは想像できないほど持ちやすく、操作しやすいゲーム機になっている。
まあでも、ここまで散々持ち上げておいてアレだけど、結局長時間プレイだと明らかにSwitchより疲れる。確かにここまで書いた通り、Steam Deckの重さを感じさせないための工夫はすごいし、その効果は間違いなくあって、カタログスペックよりは遥かに持ちやすく疲れにくいのは事実。けどそれでも、667グラムと400グラム、小型スマホ2台近く分の重量差を覆すほどにはならない。
幸い?バッテリー持ち的に3時間以上連続して遊ぶことはできないから、基本的に手が痛くなるより先にバッテリーが切れる。でもバッテリー持ちが伸びればこの弱点はより深刻化するだろうから、次期モデルでは重さとバッテリー持ち両方の改善は最重要課題になるように感じる。
上側面には左右両方のトリガーボタンとショルダーボタン、排気口とイヤホンジャック、電源ボタンと音量調節ボタンがある。
下側面にはmicroSDスロットが一つあるだけ。
シンプルな背面
背面には吸気口と任意で割り当て可能なサイドボタンが4つ。
でもこの背面ボタン、Steam Deckのハードで個人的に最も嫌いな部分。絶妙に押しづらいし、押した感触もイマイチ。必須ではなく任意で割り当てて使うものだからそこまで問題なし。
使ってみた感想はまた次回に
尺の都合のため残念ながら今回は外観の紹介までで終わりにしたい。実際に遊んでみた感想や、ゲーム以外の使い方、他の選択肢と比べた感想、揃えた周辺機器なんかは次回以降何度かに分けてお届けしたいと思います。取り敢えず僕は大満足。8万円出したことは全く後悔してないし、Steamのゲームを携帯ゲーム機で遊びたい人には無条件におすすめしたい。
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