iPhone16発表から数時間後に発売された市販としては史上初の三つ折りスマホことHuaweiのMate XT。個人的に折り畳みスマホは三つ折りまで行けてからが本命だと思ってたのでその理由をMate XTを引き合いに出しながら説明したい。
【私見】折り畳みスマホは三つ折りからが本番
繰り返しになるけど僕は現状の二つ折りの折り畳みスマホはあくまで繋ぎ、本命は三つ折りだと思ってる。その理由は何と言っても三つ折りになって初めて通常のスマホと違う使い方ができるから。
去年からGalaxy Z Fold4を使っていて、確かに7.6インチの大画面をポッケに入れて持ち運べるのは良いんだけどある程度使ってるとまだ足りないと思い始めた。7.6インチと言っても正方形に近いアスペクト比だから縦方向の情報量が少ない。例えばXのように一般的なスマホのみを前提にしたアプリだと一度に表示できる投稿が少なすぎて大画面を持て余してる感が否めない。
しかも8インチだとスマホ向けのUIは持て余すのにパソコン向けのUIだとちょっと小さいし、パソコンのように使ったり絵を描いたり写真のレタッチなどクリエイティブするには小さい。中途半端感が否めないしもう少し縦に長い大画面にして欲しいなと思ってた。
でもあまり縦長にしすぎると今度は閉じている時の使い勝手が悪くなるとか畳んでもポッケに入らないサイズになるとかの問題がある。つまり二つ折りでは8インチ前後が限界で、これでは通常のスマホと本質的にできる事が変わらず折りたたむ意味が技術的なアピール以外少ない。
それがMate XTのように現状のFold系折り畳みスマホからさらに一枚横に展開できれば展開時はある程度長い上に10インチ前後のサイズのディスプレイになる。このサイズならiPad ProやAirの小さい方ぐらいの画面になるし、タブレットとして十分実用的なサイズで通常のスマホと明確に違う役割を与える事ができる。つまり折りたたんで一台二役にする意味ができる。
Mate XTの特徴
そんなわけで本題のMate XTなんだけど、これは山折りと谷折りの2種類のヒンジを使い分けて「Z」型に折りたたむタイプ。
完全に折りたたむと通常スマホ、片方のヒンジだけ開くと従来の折り畳みに近い7.9インチの正方形に近いサイズ、完全に展開すると10.2インチの大画面。「Z」型に畳むとなるとスマホ3枚分の厚みがあると言えるのでかなり分厚くなると思いきや全部閉じた状態でも12.8ミリで一般的スマホよりはやや分厚い程度。
完全に開けば最薄部3.6ミリ、カメラ周りを含めても4.75ミリしかなくて尋常じゃないほど薄い。というか13インチiPad Proが5.1ミリでそれでも世界最薄級のタブレットなことを考えれば3.6ミリがどれだけ薄いかよくわかる。
カメラはメイン・広角・5.5倍望遠の構成、メモリは16GB、リフレッシュレート120hz、無線充電にも対応など折り畳み以外も意外と妥協はない。
でも買わない
そんな三つ折りだけでも欲しくなるMate XTだけど僕は買えないしそもそも買わない。そもそも40万円スタートという値段だけでも買わない理由として十分すぎだけど、何よりも耐久性が不安。
Galaxy Z Foldでも折りたたみのヒンジを起点に保護フィルムが剥がれて貼り直す羽目になったけど、Mate XTはヒンジが二つ。初号機というのもリスクだし3.6ミリの薄さに折り畳みでボディ剛性は大丈夫なのか、バッテリー持ちは大丈夫なのか?
あと非防水なのと折り畳み用の柔らかいディスプレイが畳んだ状態でも露出するのも不安だし、Huaweiは米中貿易摩擦の煽りでGoogleアプリの使用に制限があるのでその時点でメインスマホとしては使いづらいのも厳しい。
正確には裏技を使えばPlayストアとGoogleアプリも入れることはできるらしいけど所詮裏技なのでいつ潰されるかわからないのも怖い。ここまで未確定要素の多いスマホに40万円出せるほど僕は金持ちではないので。
けど三つ折りスマホは支持したい
というわけでMate XTは買わないけど三つ折りは折り畳みスマホのあるべき進化だし、折り畳みスマホがオタクのおもちゃから飛躍して市民権を得られる可能性のある道なので支持したい。上記の問題が改善されて値段ももう少し現実的になれば使ってみたいとも思う。
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