一昨年の5月にこんな記事を書いたことを覚えてらっしゃる方はいるだろうか。
ゲーム用途にデスクトップでなく高性能なゲーミングノートを購入した理由を解説した記事なんだけど、この記事からもう1年半以上。メインパソコンはMacBook Proに変わったけど、デスクトップ並みのパワーを持つ高性能ノートパソコンをメイン機にするという基本的な価値観はまだ変わってない。
ということで今回はこの記事のリメイクというか2023年版として、パソコンに性能を求める際、デスクトップではなくあえてノートパソコンを選んだ意味、そしてそのメリットとデメリットを解説したい。
【最初に】高性能ノートパソコンはコスパ最悪
まず最初にデメリット、それも多くの人にとっては致命的なものになるけど、高性能ノートパソコンのコスパは最悪。性能当たりの値段は超絶高くなる。ノートパソコンの小さい本体に並のデスクトップを上回るようなパワーを詰め込むためには、特に排熱や消費電力には通常のノートパソコンを遥かに上回る高度な設計が必要になるし、その商品の性質上処理能力以外の機能(ディスプレイやキーボード等)も高価・高性能な部品を採用することが多い。
しかも高性能ノートパソコンは需要も売り上げも小さく、参入メーカーも少ないニッチ商品のため、量産効果でコストを下げることも、メーカー間の競争で価格が下がることを期待することも難しい。
MacBook ProとMac Studioの場合
高性能ノートパソコンがどの程度割高なのか説明するために、今回はMacで説明したい。
例えば僕が購入した構成の14インチMacBook Proは274800円。
それに対してデスクトップのMac Studioは最小構成で278800円、こっちの方が4000円高いけどそのたった4000円で、
- CPU性能→約30%増
- GPU性能→約70%増
- メモリ→容量、帯域幅共に2倍
- 拡張性→Thunderbolt×1、フルサイズUSB×2、有線LAN端子、USB-C×2が追加
参考:https://www.cpu-monkey.com/ja/
これだけ性能はアップする。もちろんディスプレイ、マウス、キーボードなどは別で買う必要はあるけど、それにしたってデスクトップの性能あたりの安さは光る。
そして14インチMacBook Proの構成をMac Studio最小構成に可能な限り揃えた場合の値段は驚異の40万円!大抵の方々にとっては1ヶ月の給料より高いはず。そしてMac Studioと比べて約12万円も高くなる。
MacBook Airの最小構成モデルは約13万円だから、この12万円の差額でそこそこ以上のノートパソコンまで買うことができる。
つまり単純に性能を求める場合はデスクトップパソコンの方が良い選択肢になりうるし、高性能パソコンと持ち運び用パソコンが両方欲しい場合でも、高性能ノートパソコンを買う金で同等性能のデスクトップを買い、差額で持ち運び用のノートパソコンを買うという判断もある。
つまり高性能ノートパソコンを買う時には、そのパソコンをどういうふうに使いたいかをあらかじめ決めておかないと絶対後悔することになる。
今まで2台の高性能ノートパソコンを使用
1台目:Zephyrus G14
最初に買った高性能ノートパソコンがこれ。14インチ2キロ以下の本体に、WQHDの高解像度ディスプレイと外部GPUを搭載したゲーミングノートPC。このパソコンをきっかけに性能、携帯性、ディスプレイ、バッテリー持ちの全てを高い次元で備えた高性能ノートパソコンにハマってしまった。
僕が買った時にはWebカメラが搭載されてないという地味にでかい弱点があったけど、最新モデルでは改善されている模様。
2台目:14インチMacBook Pro
Zephyrus G14を手放した後、一時は通常のモバイルノートパソコンに戻ったんだけど、やっぱり高性能と高機能が欲しくなってしまい早々に乗り換えることに。そんな時に前から興味があったM1 Macに、自分の求める要件を満たしたMacBook Proが発表されてしまったものだからほぼ即決で買ってしまった。ちなみに旧ノートパソコンは新品の7割ぐらいの値段でメルカリで売れたので金銭的なダメージは抑えられた。
こちらも処理能力だけでなくディスプレイの品質・性能、キーボード、トラックパッド、スピーカー音質、バッテリー持ちや軽さなどのノートパソコンに求められるあらゆる項目が超ハイレベル。なんだけどOSがMacなのが本当に残念。使い慣れたWindowsとは勝手が違う点が多いし、ゲームを中心にソフトの絶対数も少ない。100点満点で点をつけるならハードウェアの全項目が90点以上だけど、OSがWindowsでないという一点でマイナス30点ぐらい付けたくなる。
MacBook Proというノートパソコンは最高だけどMac OSは微妙、というのが僕の感想で、次のメインマシンはハードの完成度やスペックでこれに匹敵するWindowsノートパソコン、ということになりそう。そんな製品があるかどうかは別として。
高性能ノートパソコンのメリット
最初にコスパ最悪という致命的弱点を話したけど、そんな弱点を承知の上で2台買った人として、高性能ノートパソコンのメリットを上げるとすればこの4つになる。
- 処理性能以外もハイレベル
- 全てを1台で賄える
- 机がスッキリする
- データの管理が楽
処理性能以外もハイレベル
確かに高性能ノートパソコンは一般常識からすればありえないような高価なノートパソコンだけど、思い切って購入すればオールインワンの完璧超人が机にやってくる。ノートパソコンだからデスクトップと違ってパソコンのほとんど全ての要素(ディスプレイやキーボード、スピーカー等)が1台に集約されている上に、高いだけあってその全てが超ハイレベル。
MacBook ProもZephyrus G14も、
- 単純な性能の高さ故の快適かつ高速な動作
- 静かでタイピングしやすいキーボード
- 高音質なスピーカー
- 滑らかで高精度なタッチパッド
- 高解像度高画質で作業性も高いディスプレイ
- スマホ並みに高速・高精度な指紋認証(MacBook Proのみ)
パソコンに求められるあらゆる項目が悉く高水準なので、一度使い始めると普通のノートパソコンには戻れなくなるほどのパワーと魅力を備えている。
全てを1台で賄える
最初に話した、自宅用のデスクトップと外出用サブノートパソコンの2台体制と比較した場合、高性能ノートパソコンの強みその1はこれになる。前述の通り15万〜20万ぐらいでMacBook Proと同等のデスクトップとモニターを買い、残りの金額で外出用のサブのノートパソコンを買うという選択肢が王道ではあるんだけど、そうなるとメイン機とは使い勝手が違う上に性能も低いサブ機での作業性が悪化してしまう。
それに対して高性能ノートパソコン1台に集約すれば、家用のパソコンも外出用のパソコンも全て同じパソコンが使える。自宅でも、気分転換でカフェとかに行った時も長期の旅行や実家への帰省中でも、どんな時でも同じパソコンが使うことができるのは楽だしシンプルで快適。
管理が楽
2台体制を上回る点2つ目がこれ。パソコンが1台で完結するからデータの管理が非常に楽。パソコンに限らずデバイスは増えれば増えるほど管理が面倒になってしまうので、使うデバイスの数を減らし、できるだけ少ない台数で全て賄えるようにすればシンプルで楽になる。
机がスッキリ&広く使える
デスクトップパソコンはサイズ自体が大きいし、配線もかなり多くなるのでどうしても机が狭く、散らかりがちになってしまう。それに対してノートパソコンは本体そのものがコンパクトだし、パソコン自体にほとんどの機能が集約されているから机がすごく綺麗になる。
ノートパソコンを閉じたまま運用するクラムシェル運用なら、さらに机を広く使うこともできる。準備するものはそれなりにあるけど、ノートパソコンの可能性をさらに広げる運用法だと思う。
高性能ノートパソコンはロマン、刺さる人には刺さる
2台合わせて40万オーバーというとんでも無い値段のパソコン達だけど、素晴らしい買い物だったと思う。ノートパソコンに20万以上ってかなり勇気がいる買い物だけど、高性能なノートパソコンは性能も含めたすべての面で優秀で、安いパソコンよりも効率よく作業できるし性能が高いから長い間使い続けていられる。
でもゲームも写真の編集もやらない人は絶対に20万のノートパソコンもデスクトップもいらないから、10万ぐらいの薄型ノートパソコンを買っておこう。
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