11インチVS12.9インチ【iPad Pro選びの悩みどころ】

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 現在iPad Proには2つのサイズが存在する。11インチと12.9インチの2種類だけど、iPad選びでよく話題というか議論になるのが、この11インチと12.9インチはどちらを選ぶのが正解なのかということ。

 よくメディアとかでは、

「持ち運んで使うなら11インチで、家で使うなら12.9インチがおすすめ

なんて結論付けられることが多いけど、これはちょっと短絡的すぎるように感じる。家で使うとしても部屋の中を頻繁に移動する、動き回りながら使うことが多いのであればコンパクトで軽いほうが良いし、逆に持ち運んで使うことが多いとしてもそこそこ机の広い場所で腰を据えて使うことが多いのであれば、軽さとコンパクトさはそこまで重要じゃなくなる。

 僕は去年の6月から11インチを使っていて、今年の6月に12.9インチに乗り換えることにしたんだけど、それぞれのサイズを両方使ってみた上で自分なりの意見をこの記事にまとめてみた。

12.9インチと11インチの違い

iPad Pro11インチと12.9インチの違いは3つ。

画面サイズ

 11インチと12.9インチの画面サイズの差は2インチ弱。対角線で5センチぐらいで、縦と横にそれぞれ2~3センチぐらいずつ12.9インチのほうが画面が大きくなる。

 もちろんそれに合わせて本体サイズも12.9インチのほうが大きいし、重量も12.9インチのほうが重くなっている。

解像度

 解像度も画面サイズに合わせて異なっている。

  • 11インチ・・・・・2388×1668
  • 12.9インチ・・・・2732×2048

12.9インチのほうが解像度が高いけど、画面のサイズが大きいからppiの方は264ppiで両方とも同じ。

参考→https://www.apple.com/jp/ipad-pro/specs/

ディスプレイの種類

 今年発売の2021年モデルからは、12.9インチに限りディスプレイがミニLEDディスプレイになった。ミニLEDディスプレイは従来の液晶よりもバックライト用のLEDが細かく、数が多くなっており、多数のLEDのうち一部を点灯・消灯させることで従来の液晶よりもコントラスト比の高い鮮やかな色を楽しむことができる。それでいて有機ELのような焼付きの心配も少なく、液晶と有機ELの良いとこ取りのような次世代のディスプレイなんだ。

 …けど12.9インチiPad Proを一ヶ月使い続けて、一度も従来より画質が良くなったとは感じることができなかった。そもそも11インチの液晶ディスプレイの時点で十分すぎるぐらい画質は良かったから、そこからさらに進化したところで一般人には体感不可能。

12.9インチの特徴

大画面の圧倒的な作業性

 とにかく12.9インチの良いところはこれに尽きる。ぶっちゃけそれ以外はデカくて重くて値段もちょっと11インチよりも高くて良いことなんかなにもないんだけど、とにかくこの大画面、11インチ比で対角線で5センチ大きい画面こそが12.9インチを選ぶ唯一にして最大の意味。

 5センチって数字で書くとそんな大した違いではないようにも感じてしまうかもだけど、iPadはノートパソコンやその外部ディスプレイ、テレビよりも画面に近づいて使うことが多いから、この5センチの違いはかなり大きい。

 特にAffinity Photoで写真を編集するとき、Procreateで絵を描くときこの画面の大きさはありがたい。

メディア視聴の圧倒的な迫力

 画面の大きさはアウトプットだけじゃなくインプットにも役に立つ。動画や大判の電子書籍は12.9インチのほうが迫力も読みやすさも圧倒的に上。

結構重いのでノートパソコンとまともに競合する

 12.9インチiPad Proは結構重い。本体だけなら600グラムぐらいだけど、キーボードカバーをつけると1キロの大台に乗ってしまう。個人的に1キロ以下であれば気兼ねなく持ち出すことができるけど、1キロを超えてしまうとリュックサックじゃないとそれなりに気力が必要だと感じる。

 先日購入した新たなメインノートPC、Yoga slim 750i carbonは画面サイズ13インチ、重さは996グラムでキーボードカバー付きの12.9インチiPad Proよりも軽い。もちろんiPad Proのほうが処理能力は高いし、ApplePencilという強力なアドバンテージもあるけど、12.9インチiPad Proの購入を検討している人は13インチのモバイルノートパソコンも選択肢として考えたほうが良いかもしれない。

11インチの特徴

コンパクトで取り回しやすい

 12.9インチの大画面は素晴らしいけど、やっぱりiPadとしてはデカすぎるし重すぎる。キーボードカバーをつけた状態だと300グラムぐらい違うけど、iPadはパソコンと比べて片手で持つ機会も多いデバイスなので、体感としてはこれより遥かに重く感じる。

 12.9インチは入らなかったショルダーバッグにも11インチは問題無く入ったし、11インチならバッグの中に入れてもほとんど存在感無く無意識に持ち運べる。

大抵の使い方に順応できる丁度良いサイズ

 この11インチiPad Proのサイズ感は、実はタブレットで最も正解に近いサイズでもある。2010年に発売された初代iPadは画面サイズが9.7インチだったけど、サイズ的には11インチiPad Proと同じぐらいのサイズだった。

 現在一番安く変えるiPad(第8世代)も画面サイズは10.2インチだけどサイズは11インチiPad Proと同じぐらいだし、iPad Air4も10.9インチで本体サイズは11インチと全く同じ。

 Android、Windowsタブレットに目を向けてみても10.1インチのタブレットが主流で次点が8インチといった状態になっている。

 つまり10インチクラスというのはタブレットというものが誕生して以来、一貫してタブレット界のメインストリームで有り続けている存在なんだ。

 実際この11インチiPad Proの画面サイズってすごく絶妙なサイズで、ネットサーフィンでも、動画・電子書籍などコンテンツビューアとしても、絵を描いたり写真編集をしたりするクリエイティブな用途にも、大抵の用途で安定して80点ぐらいがつけられる。

 これがiPad miniのように8インチクラスのタブレットだと、コンテンツビューアとしては最適でもクリエイティブに使うには画面が小さすぎるけど、10インチクラスならクリエイティブにも十分対応可能。コンテンツの消費にも、生産にも、両方で実用的に使える大きさの画面と持ち運びしやすいサイズ感。このちょうど良さが11インチの最大の強み。

用途によっては少し画面が狭く感じる

 やっぱり12.9インチと比べると画面は狭い。一つのアプリしか表示しない状態なら11インチでも不満は殆ど無いんだけど、画面を分割して使ったり、イラストや写真の編集なんかだとそれぞれの画面がスマホに毛が生えたぐらいのサイズしかなくなってしまう。

 2分割ぐらいまでならギリギリ許容範囲だけど、Slide Overを使って3分割はもう残り2つのアプリの内片方がほとんど見えなくなってしまう。

 このレベルの画面分割は11インチだと実用的ではないと思う。

 12.9インチなら3分割しても一つ一つにそれなりの余裕がある。流石に広々とは行かないけど、それでも一応実用的に使うことができる。

好きなのは12.9インチ、人にオススメするのは11インチ

 ここまで両方の長所、短所を解説してみたけど、僕の考えはこのサブタイトルの通り。12.9インチの大画面とそこから来る作業性の高さ、コンテンツの迫力は気に入っているし11インチから乗り換えて大満足だけど、iPadを初めて買う人におすすめするのは多分11インチ。

 なぜなら11インチでも画面が小さく感じることはそれほど多くないから。11インチで狭く感じるのは画面分割しての作業とか、複雑なイラストの作成とか、使用機会としてはそこまで多くない。大抵の人には限られた場面でしか恩恵がない大画面より、気軽に持ち出せる軽さとコンパクトさの方が恩恵があるはず。

 でも12.9インチも刺さる人にはとことん刺さるから、用途がはっきりしている人なら12.9インチでも大満足なはず。なんか煮え切らない結論になってしまったけど、参考になれば嬉しい。

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