クラウンスポーツを見てきた

近所のショッピングモールにトヨタの展示場があるんだけど、早速クラウンスポーツが置かれていたので見に来ました。試乗はできないので車としての出来は不明だけど見た目の印象を書いていきます。

まず外見、これは素直にカッコいい。近未来的なフロントマスクと細いヘッドランプとか大きなタイヤ、リアの膨らみを活かしたグラマラスなデザインで大型の肉食獣のような立派さと躍動感を両立していて素晴らしい。フェラーリのプロサングエに似てるような気がする（イメージカラーが赤なのもそれに拍車をかけてると思う）けどまあ値段は500万対5000万で違いすぎるし、カッコいいデザインをお手頃な値段（当社比）で届けたのでOK。

リアのデザインも良い。少し前は足し算しすぎでくどいデザインの車が多かったけど、こういう面の変化で魅せるデザインの車が増えてきてるのは嬉しい。斜め後ろとかから見ると最高だった。赤以外にも黒っぽいグレーとか、王道の白黒でも普通にカッコよかった。個人的にはグレーがお気に入り。

ところでクラウンスポーツは21インチの馬鹿でかいタイヤを履いている。最近はSUVブームによってタイヤは大きくなる一方。筋肉質で迫力あるデザインには一役買ってるけど、これ3年4年ぐらい乗って交換する必要が出たときにお値段一体いくらになるんだろうか？お金だけでなく乗り心地を考えてもせめて19インチぐらいにしたいけど、まあそれを考えても残クレとかサブスクでタイヤの交換が必要になる前にさっさと乗り換えるのが一番賢い買い方なのかもしれない。

次に内装、まず前提条件として、先に出てきたクラウンクロスオーバーもそうだったけど今回のスポーツも先代の15代目クラウンに比べて結構安くなっていることを知っておくべき。

具体的にはスポーツは全部のせの高級グレード一本だけど、先代のハイブリッド4WDの最上級グレードと比べればそれでも40万円安くなってる。物価上昇が叫ばれるこの時代に6年前の製品より40万値下げ（クロスオーバーに至っては100万も安い）はすごいことだけど果たしてFF化や世界展開による量産効果だけでそれを達成できるのか？いや無理でしょう、

絶対内装はコストダウンしてるだろと思いながら室内に入ってみると、一見した印象は意外に良い。昔ながらのクラウンで頭に思い描くテカテカの木目調パネルに水平基調なデザインの古典的な国産高級車の内装とは違う、アグレッシブで未来的なデザインのおかげで意外とパッと見ではちゃんと高そうに見える。

けどそんなハッタリも手で触るとバレてしまう。特にダッシュボード上面とかセンターコンソールのようなかなり目立つ場所に叩くとコツコツ音がなるハードなプラスチックが使われてる。こういうところはもう少し上手く誤魔化して欲しかった。特に後席はウィンドースイッチが多分無塗装の黒いプラスチックっていうのも600万の車としてはちょっとどうかと思う。

あとワイド＆ローなデザインとの兼ね合いもあって後ろはサイズの割にかなり狭い。正確には足元は必要十分以上だけど、頭上空間が奥に丸まっていてアシストグリップがすぐそこに迫ってきてかなり圧迫感がある。身長170センチの自分の体格ならぶつかったりはしないけど、おそらく180センチ以上の人は厳しい後席だろう。

クロスオーバーより開放的なんて置き書きがあったけど、どう考えても後ろに乗りたいのはその宣伝とは逆だった。クロスオーバーはFF化のおかげもあってかなり広いし快適だったし、後席のアームレストにエアコンの操作スイッチなどが仕組まれていたりしたけど、スポーツのそれはただドリンクホルダーがついてるだけの普通のアームレスト。単純な広さだけでなくそういう面でも、スポーツは今までのクラウンとは違って後席に大事な人を乗せるショーファー的な車ではなくドライバー中心の車なんだろう。

最後に荷室は空間自体は結構広め。だけどリアのクーペ風処理の影響で高さはないので、高さがある荷物は苦労するかも。

ということで外観は最高、内装はちょっと微妙、というのがクラウンスポーツを見た感想。試乗はしてないから車としての出来は不明だけど一見した印象は良かった。デザインだけでもほしい気分になる車。

ある意味今までのクラウンというかトヨタ車が嫌い・興味がなかった人を惹きつけるインパクトは十分にあって、例えばエントリークラスの輸入車SUVに乗ってる人がクラウンスポーツに乗り換える可能性はそこそこありそう。円安もあってドイツ勢のSUVだと1番下のクラスで500万〜600万ぐらいするし、そう言った車に今まで乗っていた、もしくは興味を持っている人たちの一部ないし多くがこの車に行く可能性はある。