新型エクストレイル試乗記

まだ当分先の話になりそうだけど、ヴェゼルの次の車選びの参考にしたいので今自分が気になる車に試乗してみたい。まずは先日新型エクストレイルに試乗してきたので感想を書いていきたい。最初にエクストレイルを選んだのはとにかくe-powerにターボと電動の四駆技術e-Forceとさまざまな新技術が盛り込まれていて、しかもそれらを盛り込んだ車としての出来もすごく好評だったから。これは確かめねばと参考として乗りたかった。

エクストレイルは日本では去年発売の車なんだけど、アメリカではローグという名前で2020年にもう出てる。遅れた理由は新技術のe-Powerとe-Forceを搭載するかららしく、ローグは普通の2.5Lガソリンエンジンを搭載してる。つまり出てくるのは遅くても新技術の投入自体は日本の方が先ということになるんだけど、それを考えても2年前に出た車に新鮮味を感じろだなんて無理があると思う。実際投入が遅れたせいで先代は9年も売り続けなきゃいけなかったし。

実際アリアとかサクラとか最近出てきた日産車と比べるとグリルとかライト周りとか主に顔のデザインとかちょっと古く感じるし、流行りでデザインの鮮度が落ちるのも早いSUVだからこそなんとか早く投入して欲しかった。

でも鮮度がどうこうみたいな話を別にすれば、初代以来の道具感にほんのり高級感をプラスしたみたいなデザインは結構好きで、特に2段構えのヘッドランプとかお気に入り。エクストレイルらしさという意味では良いデザイン。

そして何より、そういう車が出るまでの過程とかあれこれの文句は一度この車に乗れば吹っ飛ぶ。というかみんな取り敢えずエクストレイルに乗ってみてほしい。すごく凄かった。ヤバイ。半導体の供給問題とかで試乗車も少ないし、そもそもどんなに気に入っても受注停止してるので買えないんだけどそれでも頑張って機会を見つけて欲しい。

まず最初に気づいたのが後ろから強烈に押されて走っているような感覚。リアにも136馬力の1.5〜2Lクラスの車を過不足なく動かせるぐらいの出力のモーターを積んでいて、それと前のメインのモーターで前後の駆動力を自在にコントロールできる。このおかげで直進だと電車みたいに後ろから押されて走っているように感じるし、市街地の交差点を曲がる時もしなやかに曲がることができる。踏むと瞬時にピークパワーが出るモーターの特性を活かして猛烈な加速ができる。

割合大きな車のはずなのに2つのモーターのおかげでぐんぐん加速していく、と言うかノーマルだと普通に一般道だと持て余すぐらいのパワーで、一般道を周りに合わせてダラダラ走るくらいならエコモードで丁度いいぐらいだった。あと発電用のエンジンは1.5Lのターボなんだけど、これが本当によく注意しないとエンジンがかかったことに気づかない。遮音性もかなり高くて上質。それでいてターボのおかげで発電用エンジンとしては十分なパワーで、アクセル踏むと発電のために頑張って唸り声をあげたりとかもない。速度が高くてノイズが多くなりやすい、つまりエンジンかかっててもバレにくい環境では積極的にエンジンをかけて発電し、静かな環境でエンジンかけずに走れる距離を稼いだりなども工夫しているらしい。圧倒的なパワーからは想像つかないほど素晴らしい静粛性だった。

乗り心地もモーターの滑らかな加速と音や振動の少なさのおかげもあって最高。試乗車は最上級グレードだったんで見た目優先で19インチの大きめなタイヤだったけど、舗装が荒れた幹線道路とかでも嫌な感じは全くなかった。

ここまで乗り心地や安定性を絶賛してきたけど、内装の方も最上級グレードなら流石に500万もするだけのことはあって質感はかなりのもの。明るいタンカラーの内装とかも選べて、普通に高級車の内装と言ってしまって良いぐらいだった。ただソフトパッド、ピアノブラック、木目調パネル、革シートに二つの液晶ディスプレイとちょっと要素が多すぎてごちゃついてる気はする。あと中間グレード以下は普通に黒内装オンリー。

後席もサイズ自体がでかいだけあって十分広い。

営業の人も新型エクストレイルに自信があったのか、ディーラーの周辺を5分10分とか簡単な試乗じゃなくて30分近くぐらいかけて流れの速い幹線道路、市街地、舗装の少し良くない道、ロータリー、結構多彩なシチュエーションで乗れたからかなり車のことがよくわかった。

パワーも加速も乗り心地も安定性も素晴らしくて、正直新型エクストレイル、かなり次期愛車の有力候補になってしまった。こんなに好みな乗り味の車も今までないくらいだけど、マイカーとして考えると流石に1840ミリの全幅はかなり気を使うから、個人的にはこのエクストレイルの路線で次期型のキックスを作ってくれればものすごく欲しいなって感じ。実家に帰省して駐車するとヴェゼルでもドアの開け閉めに相当気を使うし、1800ミリオーバーはきつい。