夜景を撮る際の備忘録【X-A5】

カメラ
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GW中に大阪の咲洲庁舎から大阪市内の夜景を撮ったり、去年の京都旅行でも京都タワー展望台から夜景を撮ったりと一眼を買ってから夜景にチャレンジすることが増えている。

でもこの夜景、昼間よりも圧倒的に光量が少ない=失敗しやすい写真でもある。僕はカメラに関して専門的な教育はほとんどというか全く受けてない、いわば素人なので参考になるかは怪しいけど、それでも独学で色々頑張った果てに幾つかの学びは得たと思うので、同じく夜景写真の失敗に悩んでいる方の参考に少しでもなれば嬉しい。

写真の明るさに影響を与える項目

カメラにはかなり多くの設定項目があって、オートでカメラ任せに撮るのを卒業した直後は何を弄ればどう変わるのか全くわからない状態だった。ネットや本で調べた果てに知った写真の明るさに影響を与える設定項目をまとめるととこんな感じ。

  • シャッタースピード
  • F値
  • ISO感度

どんな要素か簡単に説明。

シャッタースピード

まずシャッタースピードはカメラのシャッターが開いている時間のこと。当然シャッターが長く開いていれば光を取り込める時間が長くなるので夜でも明るい写真にできる。

逆にシャッタースピードが長いということは手ブレしやすいということでもあるので、夜景を撮る際は手ブレせず、明るさも維持できる着地点をどうにか探ることになる。

F値

F値もシャッタースピードと同じくカメラに入る光量を表す数値だけど、こちらはレンズ内の絞り羽根の開き具合を示している。

F値が小さいほど絞り羽根が大きく開くので光を多く取り込める一方、ピントが合う範囲は狭くなる。明るさを確保する以外では意図的に背景をぼかす時にも使われる。

ISO感度

最後にISO感度はカメラのイメージセンサーが光を取り込む感度のこと。レンズから入った光がセンサーに入り込むと電気信号に変換され、それをトランジスタで増幅するんだけどその増幅度合いを表すのがISO感度で、数値が大きいほど増幅度合いが増える。

ISO感度を上げれば手ブレや背景ボケを抑えながら明るさを稼げるけど、電気信号を増幅する過程でノイズが発生するのでどうしても画質が低下しやすくなる。

まとめると

  • シャッタースピード→手ぶれに弱くなる
  • F値→ピントが合う範囲が狭くなる
  • ISO感度→ノイズが増える

このようにどの項目も明るさを確保しようとすると何かを犠牲にしなければならない。等価交換ってやつ。つまり現実の撮影ではこの3つの項目を上手く調節して妥協点を探っていく必要があるのだ。

手持ち撮影の場合

ここからが本編。まずは手持ち撮影の場合どうするかの紹介。ちなみに使用機種のX-A5はAPS-Cのミラーレス一眼です。

  • シャッタースピード→1/レンズの焦点距離以上にする
  • F値→8〜11の間
  • ISO感度→最大でも3200まで(可能ならもっと下げたい)

一般的にシャッタースピードは1/レンズの焦点距離以上の速さにすれば手ぶれは抑えられると言われている。例えば焦点距離50mm以上のレンズなら1/50秒、15mmなら1/15秒以上なら手持ちでも手ブレせずに撮影できる。逆にこれ以上遅くすると手持ちだと手ブレが酷くなりがちなので、三脚を使う、どこかに置いて撮影するなどの対策が必要。

F値は他の項目と相談しながら8〜11の間で調整する。8以下のF値はピントの合う範囲が狭くなってしまうので、意図的に背景をぼかしたい時以外は使わないようにしておく。

最後のISO感度はX-A5の場合、綺麗に写せるのは贔屓目に見ても3200までと言ったところ。それ以上も一応設定にはあるけどノイズまみれで到底観れたものではない写真になる。

正直夕暮れならともかくガチ夜だとこの範囲を忠実に守ったまま綺麗に撮るのは厳しいと思う。

これは手持ちで撮った夜景写真たち。ガチ夜だと手持ち撮影はやっぱりきつい。おそらくセンサーサイズの大きなフルサイズ一眼ならもっと余裕を持って手持ち夜景できるんだろうけど、APS-Cだと手持ちではこれが限界。

逆に夕暮れぐらいであればまだ取り込める光が多いので、手持ちでも十分に綺麗な写真が撮れる。

三脚や置き撮影ならシャッタースピード上げ放題

ここまでの話を聞けば手持ちで夜景を撮ることの難しさがわかると思う。先日の咲洲庁舎では安定してカメラを置ける場所があったので周りに迷惑をかけない範囲で置き撮影にチャレンジ。

なぜカメラ好きたちは機動力の低下や周囲の迷惑をしのんででも三脚で撮りたがるのか?その答えは自分で置き撮影したことで分かった。

三脚などで固定して撮れば手ブレを気ににする必要性がなくなる。これがとても大きくて、まずシャッタースピードを上げ放題になる。先ほどの1/レンズの焦点距離秒という縛りから解き放たれ、5秒ぐらいかけてたっぷり光を取り込むことができる。

しかもシャッタースピード上げ放題なので、手持ちの時はシャッタースピードで光を稼げない分をF値とISO感度を犠牲にしてどうにか補う形だったのがこの二つも画質を重視して設定可能になる。

つまりISO感度は夜景だと3200ぐらいまで上げないと到底ダメだったのが400ぐらいで撮っても大丈夫、F値も10ぐらいにして大丈夫なので手ブレもなく、明るさも確保され、しかもノイズも少ない写真が撮れる。

実際に撮ったものがこれ。編集ソフトでのノイズ低減処理が今までより遥かに弱くても問題なくなるから細部のディテールを残しやすいのが良い。

正直今までの自分の常識を覆す感動モノの夜景写真が撮れてしまった。ということで結局夜景を撮りたければ三脚などでカメラを固定して撮ることが最も綺麗に撮る近道です。という結論になる。

もちろん三脚は場所を取る上に長時間占有しやすいので、周囲の迷惑にならないように。撮影スポットによっては手持ち撮影はOKでも三脚はダメ、という場所もたまにあるのでその辺り気をつけて三脚で綺麗な夜景を撮ろう。

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