世の中には大勢のフォトグラファーたちの素晴らしい写真がたくさん公開されているし、ネットでも本でもPhotoshopなどを利用した写真編集ハウツーがたくさん見つかる。
けどそんな作品は仕上げるための時間・難易度も相応に高くて、初心者がトライしても割とすぐに挫折してしまう。実際僕自身、一眼カメラで取り始めた最初の頃は写真編集は難しそうだったから敬遠していたんだけど、
Kindle unlimitedで読み放題になっていたこの本を読んでから、簡単な編集ならできるようになってきた。この本はPhotoshopで紹介しているけど、自分が使っているソフトはAffinity Photoだったから、「Photoshopのこの用語・動作はAffinity Photoだとこれなのか」みたいなことを考えて少しずつ使い方を覚えていった。
今回は僕がAffinity Photoで実際に写真を編集するときの手法を紹介していきたい。写真編集を始めたい初心者の参考になれば嬉しい。
以前のの記事ではiPad版で説明したけど、今回はMac版で説明したい。
1:基本の編集
まずは殆どの写真に対して適用している基本の設定を紹介する。
基本の設定だけの場合、この写真が、
こうなる。
加工前よりも明るく鮮やかで、メリハリが強い、所謂「SNS映え」する写真になる。
まずはAffinity Photoで写真を読み込む。
すると写真が表示されてRAW現像ができる。露出、彩度、コントラストなどを右側のパラメータで調整して、好みの雰囲気に写真を加工することができる。
どんな写真でも最初にやっているのがシャドウを100%、ハイライトを-100%に設定すること。色潰れが発生してしまった場所を復活させることができるので、映える写真に加工しやすくなる。
注意点として本来潰れている場所を無理やり復活させることになるから、場合によってはかなりノイズが乗ってしまう。ある程度ならノイズ除去で誤魔化しが効くけど、限界もあるのでその場合はシャドウ・ハイライトの調整は控えめにしたほうが良い。
次に露出を一気に上げる。露出はかなり上げたほうが良い。2.00〜3.00ぐらいは大体いつも上げている。同じように黒点も6〜10%ぐらいの範囲で実際の写真を見ながら上昇させる。
コントラスト、明瞭度、彩度もヒストグラムや実際の写真を見ながら調整する。正直大抵の写真は露出とコントラストを上げればなんとなく見栄えはよく仕上がる。そこまで拘っているわけではなく、ブログやSNSでなんかそれっぽい感じに見えるように仕上げるのが目的だから、細かいところはあまり気にしてない。
最後にカーブで色調を調整して完成。
2:チルトシフトでミニチュア風の風景写真を作る
ここからは応用編。と言っても複雑なことは何もやらない。最初の基本の編集に3工程ぐらい加えるだけで作るミニチュア風の風景写真。
この写真で作ってみる。
「フィルター」から「ぼかし」を選択して、更にその中から「被写界深度ぼかし」を選ぶ。
「チルトシフト」を選んで写真の上下をぼかす。同時に彩度と明瞭度も上げる。通常の写真で彩度を上げすぎるとニセモノ感が出てしまうけど、ミニチュア風の写真としてはむしろ好都合。彩度と明瞭度は上げ過ぎなくらいに上げたほうがミニチュア感が出てくる。
完成。
上手く仕上がる素材の条件として、
- 上から見下ろすように撮られている
- 空があまり見えない(箱庭感がでる)
- 人や建物などがたくさん写っている、画面密度の濃い写真
この3つの条件に合う写真なら上手くいきやすい。
例えばこんな写真は上手くいきやすい。
3:色鉛筆で書いたような加工
もう一つだけ応用編を紹介。複数のレイヤーを組み合わせて、紙に色鉛筆で描いたような質感を写真に与えることができる。
まず最初にレイヤーを複製しておく。複製したレイヤーは非表示にする。
片方のレイヤーに対して、「フィルター」から「エッジの検出」を適用する。
「エッジの検出」を適用した状態
次に「フィルター」から「モノクロティザー」を適用する。この2つの処理を適用したレイヤーを下においておく。
最後に上のレイヤーを再表示し、合成モードを「スクリーン」にする。透明度は50〜70%ぐらいが丁度よい。
完成。
写真の加工は人それぞれ
勿論今回紹介したやり方が正解とは限らない。邪道かもしれないし、むしろ間違っているかもしれない。写真の加工は人それぞれ違って正解はないから、今回のやり方はあくまで参考程度にして欲しい。「こんなやり方もあるんだ」みたいな感じに見てくれると嬉しい。
僕もよりよい方法をこれからも追求していきたい。
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